2002年に亡くなった訳詞家の生誕90周年を記念した書籍が登場。同時代の洋楽ヒットに日本語詞をあてた独自の楽曲=カヴァー・ポップスを、主に61~67年の6年間になんと400曲以上の数を作ったという漣は、日本にポップソングを定着させた最大の立役者の一人である。この本では、山下達郎、大瀧詠一、糸井重里、近田春夫ら影響下にある作家の語りも収録し、その功績を再検証。アメリカ産のポップスやロックンロールを、メロディーやリズムの魅力を損なうことなく、いかに日本語の音楽としてローカライズしていったのか。ここで明かされる素晴らしき工夫は、この国で暮らす音楽家/ファンならば知っていて損はない。