クィア・ラップの先駆者によるフル2作目。 ルー・リードを意識したという“French Lessons”ではアノーニの美しい歌声のヴェールの合間からぼそぼそと言葉をこぼし、マイケル・スタイプ参加の“Family Ties”ではR.E.M.に寄せたロックを歌うなど、ラップという出自からさらに離れ、自身の伝えたいことをさまざまな音楽フォーマットに載せていく。フォルティDLらによる多彩で幻想的なプロダクションもその世界観を強化する意欲作だ。