ピアニストのラウマ・スクリデの事実上のデビュー盤。彼女は、ヴァイオリニストのバイバ・スクリデの妹で、バイバの多くの録音で共演している。その録音での粒立ちの良い音楽で姉との音の会話を愉しんでいるかのようで、好感を持っていた。今作も繊細な打鍵によるピアニシモが実に美しい。多くの室内楽経験で得たであろう秀でたアンサンブル能力により、オーケストラとの対話が印象的。ソロにより併録された“創作主題による32の変奏曲”は音の強弱の対比が素晴らしい。構築力も見事。カップリングは、ギュルケの良い意味での古風なベートーヴェン演奏による“献堂式 序曲”。