指揮のマナコルダは、指揮者クラウディオ・アバドのもとマーラー室内管弦楽団でヴァイオリンを弾いていた経験がある。その影響を随所に感じさせるベートーヴェン・シリーズの第1弾。交響曲第1番、第2番、第7番の3作品。速めながら無理のないテンポで、弦楽器が明るくよく歌う演奏。木管楽器も流麗に吹かれ、耳に届く。フレッシュさが前面に出た快演。交響曲第7番が特にその特徴がでた内容となっている。マナコルダが、シューベルトとメンデルスゾーンの交響曲全集の録音で高い評価を得て、その自信を背景に満を持して開始したプロジェクト。続編にも期待したい。
アントネッロ・マナコルダ(Antonello Manacorda)『ベートーヴェン:交響曲全集[1]:交響曲第1番・第2番&第7番』無理のないテンポで弦がよく歌い、木管も流麗に吹くフレッシュな快演
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