ブラームスの交響曲4曲をドヴォルザークの後期4曲と組み合わせるシリーズ、まさに刮目すべき成果だ。同時期に両者は、マーラー第4、〈ブルックナー・マニアックス〉とでも例えたい3つの版を同梱した『ロマンティック』を録音し、秀逸のハンス・ロット盤へと向かう。第1番(第1楽章提示部反復あり)は悠々たる覇気に溢れ、バンベルク響の培った低重心で濃いソノリティを活かし、機能性を俊敏快活に駆動させるフルシャの手腕が冴え渡る。ドヴォルザークの第6での勇躍ぶりも実に輝かしい。ハンガリー舞曲も両匠が編曲した計8曲選択でコンセプトに合致。高音質盤であることも併せ、シリーズまるごと熟聴したい。