カベラーチの音楽はショスタコーヴィチ・プロコフィエフに劣らぬ個性と力強さがある。その魅力が反映された名指揮者アンチェルの録音でご記憶の方もいらっしゃるだろう。彼の交響曲は打楽器、ソプラノ、クラリネット、朗読(!)を主役にした管弦楽との協奏曲的な作品や混声合唱とソプラノとオルガンと打楽器という凝った楽器編成の8番など全8曲がある。第2番は大管弦楽と打楽器・オルガンで鳴らされて耳が寄せられるが、第2楽章の暗い空気に包まれたサックス・ソロが深い感動を与える。ど迫力の2つの序曲を含めたこのフルシャ盤がきっかけで再評価されることだろう。