国内盤では各曲が散逸して様々なコンピ盤で泣き別れとなっていた1969年収録の全9曲からなるケーゲルによる『名曲集』が、LP初出以来初めてオリジナルの形態で復刻された。選曲は当時の旧東独の音楽観も感じさせるもので、うち4曲は合唱入りという力の入れ様が凄い。ケーゲルの指揮はどの曲にも実直で決して手を抜かない真面目仕様のため、聴いていると思わず正座しそうになるのは本来のアルバムのコンセプトから外れる気もするが致し方あるまい。それにしても今回の高音質化の効果は大きく、細部までくっきりと聴き取れるのはありがたい。ケーゲルの偉大さを感じた次第。“アンネン・ポルカ”は初CD化。