ショスタコーヴィチとベートーヴェンの交響曲ツィクルスを、組み合わせながら同時進行させる野心的試みに挑戦したミヒャエル・ザンデルリンク率いるドレスデン・フィル。いち早く全集リリースしたベートーヴェンに続き、残り10曲を一挙に新収録してショスタコーヴィチも全集にまとめ上げた。収録の最後となった第15番のセッションは先の大戦でドレスデン空襲を受けた日にも組まれた(演奏会も挙行)。ショスタコーヴィチと父クルトとの友誼は、ザンデルリンク家にある種の宿命的縁をもたらし、三男ミヒャエルも少年時に邂逅を果たす。そういった背景のもとに語られるこの一組は、傾聴することでその重みが体感される。