オロペサがいよいよディスクでもプリマの本領を発揮。彼女の代表的レパートリーとなるヴィオレッタの素晴らしさが当盤で堪能できる。しなるような俊敏性と粘りのある声の強さが印象的なリリコ・コロラトゥーラとしての実力を最上の形で刻んだ歌唱と共に、オペラ巧者、オーレンの統率、新国立ですでに美声を聴かせてくれたバルベラ(ヒメノ盤ロッシーニ:スターバト・マーテルでのソロをぜひ)の涼やかなアルフレードも聴きもの。オロペサは2022年9月に待望の来日、ますます注目を集めることになるはず。ドレスデン文化宮殿大ホールのヴィンヤード空間を存分に活かした豊麗な音質にもPentatoneの矜持が窺える。