〈A quiet inevitability〉と、このアルバムのライナーでバイキーダ・キャロルが評するのは、アンサンブルのチェリスト、ハンク・ロバーツ。控えめな介入とでも意訳してみるとこのアンサンブル、他にはアルトサックスのティム・バーンとアコーディオン、クラリネット、声で参加するオーロラ・ニーランドたちの音楽の全景が静かに解けていく。全曲が三人の共作とクレジットされているからこのアルバムは三人の集団即興による音楽を記録して制作されたと推測できる。バイキーダによると、オーロラは電子音楽のアンサブルも主宰していて、音色の変化に敏感だと言い、ティムはアンサンブルの火付け役で、成熟期を迎えた才能と締めくくる。