コラール風の《The Distance》のリッチなオーケトレーションに始まる、ベーシスト、マイケル・フォーマネックの最新作は、ティム・バーンを筆頭にNYCの先鋭的ミュージシャンを集めたビッグ・バンド作品集である。本人によれば、18人編成のアンサンブル・コロサッスは、マリンバを加えたリズム・セクションがこだわりだという。オリジナルにこだわったアンサンブルの響きはしかし、比較的分厚いアンサンブルのテクスチャー重視のようだ。オープンな即興を挟みながらリズミックに進む組曲《Exoskeleton》を聴いていて、80年代のロフトジャズを思い出した。ピアニスト、アンソニー・デイビスのアンサンブルの残り香がここにはある。