沈鬱の海をもがく様が聴き手の心を動かす初作『Kvi Baba』から約4年、その間にも配信EPやAKLOとKEIJUを迎えた“Too Bad Day But... (Remix)”のヒットで存在感を強めてきたラッパーのメジャー進出作。その〈But...〉の部分で覗かせていた上向きな心は本作にも作用しており、時に危うさも感じさせる繊細な世界観はそのままに、〈愛〉を見つけたことによる希望とそれを失いたくないと強く願う気持ちが、エモ・ラップ以降の内省を湛えたメロディアスなフロウと共に紡がれる。引き続きBACHLOGICが全曲プロデュースした明暗のコントラストで魅せるモノトーンなトラックも込みで真摯かつ美しい一枚。