いまさら〈戦国時代〉なんてのもアレでしょうが、いろんな意味のサヴァイヴァルはいろんな場所で確かに存在しています。本誌発行の前日にあたる9月24日は……HKT48の“控えめI Love You !”にLinQの“ウェッサイ!!ガッサイ!!”、そしてここで紹介するHRの“希望の蕾”がリリースされた日。そう、激戦区と呼ばれて久しい福岡を代表する3グループが、初めて同日にニュー・シングルを発表したのですね。
そもそもHRは2010年1月にプロジェクトを始動した同地の古参グループ。この界隈が世間一般的に認知を得る以前から、地元にライヴ・アイドルのシーンが広がるきっかけを作った老舗と言ってもいいでしょう。ただ、音源デビューまで時間を要したこともあり、全国的な支持の獲得という意味では後発組の後塵を拝する格好になっていました。
状況が好転しだしたのは3枚目のシングル“全力ジャンプ!”がヒットした昨秋あたりから。今年は年頭の“エボリューションだ”はオリコン6位まで上昇し、派生ユニットのすぷらっしゅレボリューションもデビュー、メンバーの緒方成美が〈歌がうますぎるアイドル〉として全国放送のTV出演を果たすなど、良い状況が数珠繋ぎで続いているのです。
今回のシングルは、苦しい時期からメンバーを引っ張ってきたキャプテン・久米知里の卒業記念盤となります。表題曲“希望の蕾”はダンス・ビートに乗せて前向きな思いを放つスケールの大きい佳曲に。観念的な詞がユニークな“勇気のオオカミ”や、“六本木純情派”っぽい久米のソロ曲(Type-Bのみ収録)、明太ハイエナジーの“MENTAI DANCE”(Type-Cのみ収録)とカップリングも充実していて、これは応援したくなるところです!
▼関連作品
左から、HRの2014年のシングル“エボリューションだ”、すぷらっしゅレボリューションの2014年のシングル“めいっぱいはしゃいじゃYeah!!”(共にオーマガトキ)
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