素晴らしい建物と音響と音楽家と......。超一流を集結させた最高の音の遊び場にしたいんです

 川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールの新たなアドバイザーに、宮本貴奈が就任した。そして、それを記念する特別公演が7月23日に同所で行われる。米国の複数の音大で学び米国や英国で活動した国際派ながら、帰国後は各ジャンルの実力派たちとしなやかにコラボレーションを鋭意展開している彼女に、その〈フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2023 サマーナイト・ジャズ〉に対する抱負を聞いた。


 

――今回ホールアドバイザーに就任なさるわけですけど、そういう役職に今までついたことはあるんでしょうか?

「プロデューサーや音楽監督的な立場というのは、様々な企画でやらせていただいていました。でも、ホール付きというのはこれが初めてですね。しかも大好きなMUZA川崎!」

――そして、その第1弾が〈フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2023 サマーナイト・ジャズ〉なんですよね。大掛かりですね。

「大掛かりですよね。さらに、SUGIZOさんが参加というのが新しく発表になりました」

――ちなみに、SUGIZOさんは今回ギターではなくエレクトリック・ヴァイオリンを弾くんですか? そちらもお上手なんですよね。

「ヴァイオリンも本当に素敵なんです。そこもまた、聞きどころかなと思います」

――ところで、ホールアドバイザーについたと聞いた時、見事な人選をしていると思ったんですよ。宮本さんのリーダー作『WONDERFUL WORLD』(2020年)を、ぼくはすごく買っているんです。だって、普遍的なメロディとか大衆的な親しみやすさとジャズ的な技術や感性があれだけ折り合っているアルバムって珍しいと思っているんです。例えばR&Bやヒップホップの要素を入れちゃうなら、容易に今のポップ・ミュージックと併走するジャズは作れると思うんです。でも、そうじゃないもっと広い層を相手にする大人の〈ジャズ+〉のアルバムはなかなかない。そんな偉業を成し遂げた人物が広く市民を対象にするホールの舵取り役に就くというのは、凄い理に叶っていると思いました。

「そんなふうに言っていただけるなんて。とても嬉しく光栄です。頑張ります」

――『WONDERFUL WORLD』って、そういう意図はなかったんですか?

「ジャズをやっていると陥りがちなのがちょっと難解な、マニアックな感じになってしまう所なんです。だから、より広い方々に聞いていただき、ジャズってあまり知らないけどなんだか良いと思ってもらえる作品を作りたかった。そこではミューザ企画でもご出演いただく佐藤竹善さんにも歌ってもらいましたが、自分のアルバムでありつつ、参加していただいた皆さんに輝いてもらうアルバムを目指しました」

――ですから、あの作品が抱えていたスタンスを素直に出せば素晴らしいアドバイザー就任記念公演になるだろうと思います。

「ありがとうございます」

――今回の参加者は、全員普段付き合いのある方々なんですよね?

「はい。日々大変お世話になっている人たちですね。だから、幅は広いんですが私にとってまったく違和感がないんです。今回はポップスとジャズ・ブラス界のスターたちと、あとはロック界からも、という感じになりますね。それから、更に小沼ようすけさんも入ることが決まりました」

――小沼さんとは、デュオのアルバム『After the Rain』を出したばかりですね。

「はい。SUGIZOさんも小沼君のことを大好きですし、二人の共演は私も楽しみです」

――第1部の“宮本貴奈ステージ”は、ご自身が主役ですか。

「私が弾いたり、歌ったり。ソロ・ピアノもありますし。トリオでやってそこに小沼君も入っていただきます。新作に入っていた“オーヴァー・ザ・レインボー”も歌い、またピアニカも吹きますし、もう第1部からいろんなことになりますね」

――そういう第1部があって、第2部の〈ゲストステージ〉はゲストの方々をよりフィーチャーするわけですね。

「そうですね。これだけのビッグネームの方たちが来てくださるので、たっぷりフィーチャーしつつ、ここだけの様々な組み合わせを見ていただけたらと思います。たとえば、八神純子さんの“水色の雨”はスーパー・ブラス・スターズの3人とのレアバージョンを披露したいです」

――一方で、スーパー・ブラス・スターズだけの演奏もあるんですよね。

「第3部の〈追悼 バート・バカラック特集〉のインスト曲でフィーチャーする予定です。もちろん、竹善さんや八神さんにも何曲か歌ってもらう予定です。私がアトランタに住んでいた頃、15年位前に、フロリダで彼の前座でやったことがあるんです。ご挨拶もさせていただいたら、すごく気さくな方でしたね。今回、この企画のためにいろいろリサーチしていますが、改めて素敵な曲を書かれるなぁと痛感しています」

――3部構成で、それぞれ興味深いディレクションのもと、普段立ち位置の違う方々が随時登場する。最初の名刺代わりの第1弾としては、本当に豪華な設定ですね。

「皆さんの楽しい音の遊び場という感じにしたいと思っています。素晴らしい建物と卓越した音響とbravoな音楽家達と……、もう本当に超一流を集結させた最高の音の遊び場にしたいですね」

 


宮本貴奈
ピアニスト・ヴォーカリスト・作編曲家。19年間米英で活動後帰国。物語が見えるような、繊細かつダイナミックなピアノスタイル、演者が輝くサウンド作りが特徴。弾き語り、楽曲提供、英語作詞、劇版作曲、音楽監督、プロデュース、教育方面まで、幅広く活躍中。

 


LIVE INFORMATION
フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2023サマーナイト・ジャズ
サマーミューザ × ピアノVol.1
宮本貴奈ホールアドバイザー就任記念スペシャル!

2023年7月23日(日)ミューザ川崎シンフォニーホール
開場/開演:16:00/17:00(16:20-16:40プレコンサート/途中休憩15分・2回)

ピアノ/ヴォーカル/音楽監督:宮本貴奈
ベース:パット・グリン
ドラムス:デニス・フレーゼ

■ゲスト
ヴォーカル:八神純子、佐藤竹善(Sing Like Talking)
エレクトリック・ヴァイオリン:SUGIZO
ギター:小沼ようすけ
トランペット:エリック・ミヤシロ
サクソフォン&フルート:本田雅人
トロンボーン:中川英二郎 他

■プレコンサート
・第1部 宮本貴奈ステージ
虹の彼方に/二人でお茶を 他
・第2部 ゲストステージ
クリスタルの恋人/みずいろの雨/Life on Mars? 他
・第3部 追悼バート・バカラック特集
遥かなる影/ニューヨーク・シティ・セレナーデ/雨にぬれても 他

■チケット
全席指定:5,000円(友の会4,500円)
U25(小学生以上25歳以下):1,500円

主催:川崎市/ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市文化財団グループ)
後援:川崎市教育委員会/公益社団法人 日本オーケストラ連盟/J-WAVE/TBSラジオ
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業)/独立行政法人日本芸術文化振興会
会場・お問い合わせ(ミューザ川崎シンフォニーホール):Tel. 044-520-0200(10:00〜18:00)
JR〈川崎駅〉中央西口直結
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=3382