MUZAスペシャル・ナイトコンサート ヴァレンタイン・ピアノ・ナイト
176鍵(88鍵 × 2)が織りあげる多彩なピアノ・デュオ

 これまでに13枚のリーダー・アルバムを発表するほか、八神純子、TOKU、カーク・ウェイラムら数多くのアーティストの作品での演奏やプロデュース、映画音楽や音楽監督、ミューザ川崎シンフォニーホールのホールアドバイザーも務めるなど幅広く活躍する宮本貴奈。東京藝術大学在学中からプロ活動をスタートさせ、これまでに12枚のオリジナル・アルバムを発表。小曽根真、佐藤竹善、上妻宏光ら数多のアーティストとも共演を重ねる塩谷哲。ふたりのトップ・ピアニストが2台のピアノ連弾で共演するコンサート〈MUZAスペシャル・ナイトコンサート ヴァレンタイン・ピアノ・ナイト〉が2025年2月14日(金)にミューザ川崎シンフォニーホールで開催される。ふたりにコンサートに対する抱負を聞いた。


 

宮本「塩谷(哲)さんは私の憧れのピアニスト。ふたりで2台ピアノでの連弾をするのが長年の夢だったんです。それが初めて叶ったのが2022年。それ以来、何度かステージをともにしています。塩谷さんのピアノの魅力は、音色やハーモニー、リズムなどの引き出しがすごくたくさんある点。演奏するたびにそれらが何層にも緻密に重なり合ったサウンドが織りあげられるんです。その響きの中で演奏するのが今からとても楽しみです」

塩谷「ピアノ・デュオって、実はとても難しくて。ピアノはとても大きな表現力を持つ楽器ですから、理解し合わずに弾くと互いの音がぶつかり合って、大変なことになってしまうんです。ですが、(宮本)貴奈さんは素晴らしいピアニストであるだけでなく、作編曲、プロデュースなどもなさる、総合的な表現力を具えた音楽家でもあります。ですから音楽に対する洞察力がとても深いんです。僕が弾いていることをしっかりキャッチしたうえで反応してくださるので、とても自由に演奏できるんです」

 リスペクトを寄せ合うふたりが共演するコンサートは、すでにいくつか演奏曲目が発表されているが、その中で最も注目されるのがガーシュウィン作の“ラプソディー・イン・ブルー”だ。ピアノ独奏と管弦楽が融合した同曲をふたりがどのような演奏に仕上げるのだろうか。

塩谷「編成としてはピアノ2台なんですが、ピアノはそれ自体がひとつのオーケストラといわれる楽器。そして貴奈さんも僕もオーケストラとの共演、作編曲や音楽監督をしています。ですから、ふたりのソリストがデュオをするという感覚よりも、それぞれがピアノというオーケストラを指揮し、そのふたつのオーケストラをふたりがアイコンタクトを取りながら共演させていくようなスリリングな展開になると思います」

宮本「そうなんです。ピアノとピアノだけでなく、ピアノとオーケストラ、さらにオーケストラとオーケストラのようないろいろな組み合わせで進んでいく感じ。塩谷さんとの“ラプソディー~”デュオ演奏は、今回が3回目になるんですけど、そのふたりのブレンドの仕方がこれまでとは異なるアプローチになると思います。楽しみにしていてください」

 今回のコンサートでは、そうしたふたりの演奏だけでなく、宮本と塩谷とも親しい佐藤竹善、そして清水美依紗というふたりのヴォーカリストがゲスト出演するのも大きな話題となっている。

宮本「(佐藤)竹善さんにはTOTOの名曲“アフリカ”を、2台ピアノの連弾をバックに歌っていただこうと思っています。それから竹善さんと塩谷さんは、SALT & SUGARというユニットを組んでいらっしゃるので、そちらのレパートリーもやってもらおうと思っています。(清水)美依紗さんは、私が音楽監督をしている、城田優さんとのSNOOPYクリスマス企画にゲストで来てくださったのが出会い。若く歌唱力の高いシンガーです。彼女とは、2023年にオーケストラと私のピアノで共演してもらった“ホーム”という曲などを歌ってもらう予定です。今回はピアノ2台との共演。また新たな世界が開けてくると思うので、そちらもすごく楽しみにしています」

塩谷「歌と言えば、貴奈さんにも、僕の作った“露天風呂”という曲を僕の伴奏で歌ってもらう予定。僕もコーラスで少しだけ歌います。そういう楽しいプログラムをミューザ川崎シンフォニーホールで演奏できるというのも嬉しいですね。ヴィンヤード形式というすり鉢状のホールになっているミューザは、音響が良いだけでなく、どの席からもステージが見渡せるし、僕たち演奏者からもお客さんたちを身近に感じることができるんです。だからいつも、ものすごく一体感のある雰囲気で演奏できます。それも楽しみですね」

宮本「その他にも、メイン・プログラムが始まる前に開催されるプレコンサートでは、吉澤果穂さんという、高校3年生のジャズピアニストに出演していただくことになっています。2年生の時に、全日本ピアノコンクール2023高校生の部で入賞を果たしている実力の持ち主。このフレッシュな才能を紹介できるのも今回のコンサートの魅力のひとつだと思います」

 


LIVE INFORMATION
MUZAスペシャル・ナイトコンサート
ヴァレンタイン・ピアノ・ナイト

2025年2月14日(金)ミューザ川崎シンフォニーホール
開場/開演:18:15/19:00
18:30~18:45プレコンサート|21:00終演(休憩20分)

■出演
宮本貴奈(ピアノ&ボーカル)
塩谷哲(ピアノ)

■スペシャルゲスト
佐藤竹善(ボーカル)
清水美依紗(ボーカル)

■プレコンサート
吉澤果穂(ピアノ)

■曲⽬
リチャード・ロジャース “マイ・ファニー・ヴァレンタイン”
塩谷哲 “露天風呂”
清水美依紗 “Home”
TOTO “アフリカ”
ガーシュウィン “ラプソディー・イン・ブルー” ほか

公演ページ:https://www.kawasaki-sym-hall.jp/events/calendar/detail.php?id=3789