ジャズ、ポップス、ソウルがフューズする
フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2025 サマーナイト・ジャズ

 2005年、ミューザ川崎シンフォニーホールを舞台にして、クラシック音楽の新しい聴き方・楽しみ方を提唱する真夏のクラシック音楽祭としてスタートしたフェスタサマーミューザ KAWASAKI。その中で開催されるサマーナイト・ジャズは、クラシック・ファンとジャズ・ファンを結び付ける架け橋として多くの人に愛され、これまでに佐山雅弘やルドルフ・ルッツ、大西順子、小曽根真らが出演し、同祭を大きく盛り上げてきた。その2025年版である今年のサマーナイト・ジャズに出演するのは、ピアノ&音楽監督を担当する宮本貴奈と、彼女が選んだ小川晋平(ベース)、川口千里(ドラムス)、馬場智章(サックス)らのジャズ・ミュージシャン、そして福原みほ(ヴォーカル)、クリス・ハート(ヴォーカル)というポップス・フィールドで人気のシンガー&ソングライターふたりという華やかなラインアップ。とりわけ目を引くのが小川と川口のリズム・セクションだ。小曽根真のピアノ・トリオTRiNFiNiTYとビッグバンドNO NAME HORSESのレギュラー・ベーシストを務める小川。そして、故 菅沼孝三直系のドラマーとしてフュージョン・シーンを中心に活躍し、〈手数姫〉と讃えられる川口。極めてレアなリズム隊と宮本のピアノという組み合わせに大いに興味が惹かれる。

 「今回の人選は、音楽監督としてふたつのことを考えてのものです。ひとつには、ゲストに迎える馬場智章さん、福原みほさん、クリス・ハートさんという個性豊かな皆さんを輝かすことのできるリズム・セクションが欲しかったということ。馬場さんは、アルバム『エレクトリック・ライダー』の発表やBaBaBarプロジェクトの推進などコンテンポラリー・ジャズで輝かしい活動をされていますが、私にとって最大の魅力はあの太くて艶やかな音色。今回はそれを活かしたゴリゴリのジャズ・スタンダードも演奏してもらおうと思っています。それと、福原さん、クリスさんのステージでは、ふたりのソウルフルなヴォーカルをグルーヴさせる演奏もしたい。それらを考え合わせた時、自然に小川(晋平)さんと(川口)千里さんを迎えたいと思えたのです。小川さんは、世界的ピアニストの小曽根真さんが最も信頼しているベーシスト。千里さんは、凄腕揃いのブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラで私も御一緒しているスーパー・ドラマー。私は小川さん、千里さんとはそれぞれ共演経験がありますが、このおふたりを同時に迎えてのピアノ・トリオは初めて。私自身がとてもワクワクしています。そしてこの人選のもうひとつの理由は、サマーナイト・ジャズにいらっしゃるオーディエンスの皆さんに、いろいろな音楽に触れて、新たなミュージシャンの魅力を発見していただきたいということ。〈こんなすごい人がいるんだ!〉って思っていただけたら最高ですね」

 そうした個性的なジャズ・ミュージシャンたちの演奏と並んで魅力的なのが、ふたりのシンガーを迎えてのプログラム。2008年にメジャー・デビューした後、アメリカやシンガポールなど国際的な活動を展開する福原みほと、2010年代初頭に登場するや〈奇跡の歌声〉と絶賛されたクリス・ハートというふたりのシンガー&ソングライターが出演する華やかなステージが期待される。

 「みほさんとは、9年前に熊本で開催された〈Music Land 2018 ~pops × classics festival~〉という、ストリング・オーケストラも迎えた大きなコンサートで御一緒したことがあって、その時の彼女の歌にものすごく感動したんです。今回のサマーナイト・ジャズは、ポップスやソウル・テイストも取り入れた楽しいプログラムにしようと考えていたので、絶対に彼女に参加してもらおうと思って。久しぶりの共演が待ち遠しいです。もうひとりのゲスト・シンガーであるクリスさんとは今回が初共演。初めて彼の曲を聴いた瞬間からその素敵な歌声に魅せられ、〈いつかステージで御一緒したい〉と思い続けていた、私にとって特別なシンガーのひとりです。このおふたりに、先ほどお話ししたトリオ&カルテットをバックにして、それぞれのオリジナル曲やジャズ・スタンダード、ソウル・ナンバーを歌っていただこうと思っています。もちろん、それぞれのソロ・パフォーマンスの後にはスペシャル・デュエットも用意していますし、私自身も数曲ヴォーカル&コーラスで参加をするつもり。ミューザ川崎という最高の音響空間で行なわれるサプライズ満載のスペシャルコンサートで、真夏の夜を楽しく過ごしていただこうと思っています」

 超実力派のジャズ・ミュージシャンによるトリオ&カルテットとソウルフルなシンガーふたりとのヴァラエティー豊かなコラボレーション。今年のサマーナイト・ジャズはとびきりホットなステージになるに違いない。

 


宮本貴奈
ピアニスト・作曲家。19年間米英で活動後帰国。物語が見えるような、繊細かつダイナミックなピアノスタイル、演者が輝くサウンド作りが特徴。ヴォーカル・弾き語り、楽曲提供、英語作詞、劇版作曲、音楽監督、プロデュース、教育方面まで、幅広く活躍中。

 


LIVE INFORMATION
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2025
サマーナイト・ジャズ

2025年8月10日(日)ミューザ川崎シンフォニーホール
開場/開演:18:00/17:00(17:20〜 プレコンサート)

■出演
ピアノ・音楽監督:宮本貴奈
ゲスト・ヴォーカル:クリス・ハート/福原みほ
サクソフォーン:馬場智章
ベース:小川晋平
ドラムス:川口千里

■曲目
ガーシュウィン:サマータイム
クリス・ハート:I LOVE YOU
福原みほ:優しい赤
Killing Me Softly(ロバータ・フラック追悼) ほか

https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=4430