正統派メタル、プログレ、クラシック、フュージョン、エレクトロなど多種多彩なエッセンスを縦横無尽にアレンジするセンスに脱帽である。前作に続いてジョー・バレシとの共同プロデュースで挑んだ8枚目のアルバムは、人間の存在意義と死への恐怖をテーマに据え、制作に約4年を費やした力作となった。まさに細部まで練られた重層的な音色で迫り、さらにジェットコースター級の曲展開で聴き手をねじ伏せていく。凄いのはツギハギにならず、一つのストーリー性をもって聴く者に壮大な景観を魅せてくれる点だ。とりわけ、ボーダレスにバンドの可能性を押し広げた中盤以降の流れには驚きを禁じ得ない。