クリスマスも黒ずくめの鋼鉄連載〈OSHIETAL!〉。今回は現行メタル界の頂点に立つアヴェンジド・セヴンフォールドをオシエタル! 振り返ると2013年の前作『Hail To The King』は、全米1位を記録するなど数字的には大成功だった。しかし、A7X最大の魅力である大袈裟なまでにドラマティックなメロディーとファストな展開が排除され、へヴィーネスを強調したことで一部のファンからは不評を買う結果に。とうとう王座陥落か……と思われていたなか、今年10月にレーベルを電撃移籍し、7枚目の新作『The Stage』をサプライズ・リリースしたわけだ。
ここでは己の持ち味を見つめ直していて、新ドラマーにブルックス・ワッカーマン(元バッド・レリジョン)を迎えたことはもちろん、アンジェロ・ムーア(フィッシュボーン)やジェイソン・フェレ(ヴァンダルス他)らゲストの人選でも地元カリフォルニア色を打ち出している。また、プロデューサーのジョー・バレッシが、クイーズ・オブ・ザ・ストーン・エイジみたいなストーナー感覚を持ち込んだのも効果的だ。長尺曲が多いのだって、3作目『City Of Evil』(2005年)みたいで最高じゃないか。背伸びなんてしなくても、〈らしさ〉を追求すればお前らは十分にイケてるんだぜ! そんなわけで、新生A7Xを聴かずしてメタルをカタルべからず!