ヴェテランやビッグ・ネームから、フェスには欠かせないライヴ・アクト、注目の新人、意外(?)なアーティストまで、ヴァラエティー豊かな出演者が一堂に会するクリエイティブマン主催の音楽フェスティヴァル〈SUMMER SONIC〉。 今年は、8月16日(土)と17日(日)の2日間、千葉・QVCマリンフィールドおよび幕張メッセ、大阪・舞洲サマーソニック大阪特設会場で同時に行われます。Mikikiでは、そんなサマソニの主要ステージに出演する全アーティストと注目アクトを、視聴/試聴コンテンツと共にお届けする連載を展開中! 第8回目は、特別編としてクリエイティブマンのオフィスにお邪魔し、清水直樹社長にサマソニの見どころなどについてお話をうかがいました!
★第1回〈ヘッドライナー&レジェンド編〉はこちら
★第2回〈MARINE STAGE編〉はこちら
★第3回〈MOUNTAIN STAGE編〉はこちら
★第4回〈SONIC STAGE編〉はこちら
★第5回〈RAINBOW STAGE編〉はこちら
★第6回〈BEACH STAGE編〉はこちら
★第7回〈GARDEN STAGE編〉はこちら
★サマソニ連載・番外編〈A GREAT BIG WORLD〉はこちら
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――ヘッドライナーのことからうかがいたいと思います。まずはクイーンについて。
「クイーンはビートルズと並んで、日本人がもっとも好きな2大バンドと言えるくらいの存在ですよね。よもやサマソニでクイーンの曲が聴けるとは思いませんでした」
――今回アダム・ランバートがヴォーカリストとして参加しますが、彼についてはいかがでしょうか?
「これまで、ポール・ロジャースとジョージ・マイケルがフレディ・マーキュリーの代わりを務めてきました。ジョージ・マイケルは素晴らしいパフォーマーだったし、ポール・ロジャースもまた一味違うクイーンの魅力を打ち出していた。そういった経緯があるなか、アダム・ランバートはよりフレディに近いような声質で、たぶんそれ以上に音域が広いと思うんですよね。オペラチックな要素も多分にあると思うので、また違ったクイーンを演じてくれるんじゃないかなという部分でも楽しみですね」
――もう一方のヘッドライナー、アークティック・モンキーズは2007年以来のサマソニ出演となります。当時はキャリア最速・最年少でのヘッドライナーでしたが、現在の彼らをどのようにご覧になっていますか?
「申し分ないヘッドライナーだし、今回のアルバム(2013年作『AM』)以降で言ったら、〈SUMMER SONIC〉のヘッドライナーをやってもらうしかないようなタイミングだったので。これは一番最初に決まったし、〈SUMMER SONIC〉の今年の骨格がよくわかるアーティストが決められて非常にハッピーでした」
――お話に出た最新作も、前作『Suck It and See』に続いてクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オムらが参加した素晴らしい作品でした。
「前作からいろいろコラボしているけど、さらにうまくマッチングしたサウンドでしたよね。〈これほどかっこいいアルバムは最近聴いたことがないな〉というぐらいの作品だと感じました」
――どんなパフォーマンスが観られるのか楽しみです。そして、そのアクモンの前がロバート・プラントということで驚きました。レッド・ツェッペリンのナンバーを期待されているファンも多いかと思うのですが、このあたりについてお聞かせください。
「〈マリンスタジアム〉のセカンドはヘッドライナーに匹敵するくらいのスロットなので、出てもらうからにはツェッペリンのナンバーを演奏してもいたい、という条件で話を進めていたんです。調べている人は知ってるはずだけど、5~6曲から多い時は7~8曲を現在もツアーで演奏しているんですよ。今回もツェッペリンの曲をプレイしてもらうということで、アークティックの前に来てもらって。イギリスが誇る新旧のアーティストという部分でも楽しみなラインナップですね」
――とても豪華な組み合わせですね。では〈マウンテンステージ〉に移りまして、東京のほうは初日がアヴェンジド・セヴンフォールド。調べてみたらサマソニと同様、今年結成15周年ということでした。
「そうなんだ」
――奇しくもというか。
「そう考えると長いですね」
――トリは初めてでしょうか?
「セカンドはやってもらってるかもしれないな。ヘッドライナーは初めてですね。もうそれぐらいの格になっているし、実際に〈Download Festival〉のヘッドライナーも務めています。今回サマソニに出てもらえるということで、〈マウンテン〉を空けておいた感じでしたね」
――そんなアヴェンジドが出演する初日ですが、ゴリゴリでメタリックなサウンドのバンドが揃っていますね。
「サマソニに〈LOUD PARK〉が現れたような感じのステージになりましたね。やはり〈SUMMER SONIC〉のヘッドライナーを骨格として、それから各ステージの色が出てくるという流れがあるので。ここはアヴェンジド・セヴェンフォールドに来てもらって、そういったカラーにするというストーリーになりました」
――別日はガラッと内容が変わりまして、〈SONICMANIA〉にも登場するクラフトワークがトリを務めます。
「実は昨年から〈SONICMANIA〉に出てくれるヘッドライナー2組、昨年だったら、ストーン・ローゼズとペット・ショップ・ボーイズがバラけて東京と大阪のヘッドライナーとして〈マウンテン〉でやるというのがパターンになっていて。今回はカサビアンとクラフトワークがダブル・ヘッドライナーなので、クラフトワークが東京、カサビアンが大阪というかたちをとりました」
――カサビアンの話が出ましたが、〈Glastonbury Festival〉で今年トリを務めているんですよね。
「それは早いうちから情報を得ていて、そのあたりとアルバムも含めて今年はカサビアンのアニヴァーサリー・イヤーになるのはわかっていたので、絶対に〈SUMMER SONIC〉〈SONICMANIA〉に来てもらいたいという希望はありました。うまく2つのスロットでできたので、これは期待できますね」
――次にうかがいたいのが、〈ソニックステージ〉のフェニックス。今年1月の来日公演のチケットがソールド・アウトだったということですけど、いい勢いで来てるのかなと。
「その来日公演の時に、〈SUMMER SONIC〉も含めて同じようなタイミングでアジアを周りたいという話で、アジアも含めたブッキングをしたんですね。彼らもどこかのステージでヘッドライナーをやりたいという意向だったので、サウンド的には〈ソニックステージ〉しかないなと。実は1月の単独のときに、ほぼ話がまとまっていたんです」
――別日はピクシーズがトリを務めますが、2010年の〈ソニックステージ〉でも同様にトリを務めているので、それ以来ということですね。
「彼らは〈ソニックステージ〉か〈マウンテン〉のどちらかという選択肢で考えていて。ピクシーズを筆頭に、うまくいい流れのステージになるんじゃないかという思いで、〈ソニックステージ〉のヘッドライナーに決めました」
――〈レインボーステージ〉は、昨年に引き続きFTISLANDとCNBLUEが締めてくれます。
「昨年度が非常に楽しかったようで、今年もぜひ〈SUMMER SONIC〉で世界のバンドと一緒にプレイしたいという意向を2組とも伝えてくれました。だったらまた同じように場所を揃えて出てもらいたいなと」
【参考動画】FTISLANDの2014年の楽曲“BE FREE”
――このステージが非常にユニークで、浜田麻里さんも出ればCrossfaithのようなハードな音のバンドも出れば、TOKIOさんが出たり。ラインナップがすごくヴァラエティーに富んでいます。
「〈レインボーステージ〉は良くも悪くもカオスだから(笑)。ひとつのジャンルにはとらわれずに、日本のアーティストやアジアのアクトもミックスしながらさまざまな方々に出てもらうというスタイルになりました。なんとなく、2~3アーティストづつでは流れがうまく並ぶんだけど、トータルでみたらごちゃ混ぜ感のあるステージになっています」
【参考動画】浜田麻里の2013年の楽曲“Stay Gold”
――まさにサマソニならではですね。〈ビーチステージ〉も楽しみなのですが、ビルボードとの初コラボレーションとしてデ・ラ・ソウル、ピート・ロック、ファーサイドが並びます。
「これは僕も楽しみにしてるステージで。当初から今年も何か新しいことにチャレンジしたいなという思惑があって、ビルボードさんと一緒にステージングを作りたいという話を進めていたんです。そこで、彼らが強い往年のヒップホップ・アーティストだったり、ディスコ・サウンド系のものでまとめられないかというアイデアで、出てきたのがこのアーティスト。もうバッチリだなと。〈Billboard JAPAN Party〉というネーミングで〈ビーチステージ〉のなかで時間帯を作ってやっていただくことになりました。これは今後どんどん発展させたいと考えているステージです」
【参考動画】デ・ラ・ソウルの88年の楽曲“Me Myself And I”
――では大きなステージのことをメインにうかがってきましたが、それ以外にもオススメのポイントがあればお願いします。
「ステージ的には今年は〈ガーデンステージ〉もすごく力を入れています。日本のアーティストが中心ですが、芝生の上というすごく環境のいいステージなんですね。あのエリアを今年はすべてヴァージョン・アップして、ステージも大きなものになっていくし。〈ビーチ〉と〈ガーデン〉が並列して今後の〈SUMMER SONIC〉の目玉になるようなステージに育っていく可能性を感じています。ぜひみんなに足を運んでもらいたいですね」
――リラックスして鑑賞できるステージですよね。リラックスといえば、プラチナチケットを今年も販売されているかと思いますが、昨年は好評だったということで。
「昨年初めての試みだったのですが、完売できました。なおかつ使っていただいた人にご好評をいただいて。フェスに来るのが少し億劫だなという人には特にオススメですね。ちょっと大人向けのエリアでもあり、よりリラックスして観れるし、色んなことに並ばないで余裕を持って過ごせるエリアを各ステージ・場所で用意しているので。できれば大人の方に楽しんでもらいたい、フェスをゆっくりと楽しんでもらいたいという思いもあります。今年も非常に好調なので、〈フェスちょっと暑いな〉とか〈並ぶのいやだな〉なんて考えている人はぜひ試して、楽しんでもらいたいですね」
――では少し角度を変えた質問です。清水さんはいつも各ステージ歩いて回られるとのことですが、もちろん全組はチェックできないにせよ、ライヴはほぼ観ていらっしゃるのですか?
「観ていますね。海外のアーティストはオファーしてブッキングしているからチェックしておかないと、次に呼ぶときの参考にならないという部分もあって。まず、メッセ側だったら自転車で各ステージ1曲か2曲でも観れるように自転車で回る。そこで観たら次のステージに行くようなかたちで。自分の部屋があって、そこに各ステージの模様をチェックできるモニターがあるので、すべて併用しながらできるだけ観るようにはしています」
――〈SUMMER SONIC〉の今後のヴィジョンをお聞かせください。
「キャパをこれ以上増やすというのは、もうお客さんの居心地が良くなくなるし、いまの1日6万人はけっこう限度かなと判断しています。1度3デイズで通した年もありますが、アーティストの要望でヘッドライナー級がまとまったときは、3日間になるケースもあるかもしれない。変幻自在というか、今年2日でも来年は3日間の開催になるかもしれないというような、フレキシブルな部分を持ちながら対応できるフェスになっていければいいなと思います。ただ、その3デイズ分を含めて〈SONICMANIA〉が生まれたという背景もあるんですけどね。でも、今後も旬のアーティストやファンが観たいアクトを瞬時に呼べる体制が基本なので、みなさんにに喜ばれるようなブッキングを今後も実現していきたいですね」
――では最後にメッセージをお願いします。
「今年で〈SUMMER SONIC〉も15年になって年々いろんな試みをしているのですが、ずっと最初から変わらないのは、音楽が好きな方なら絶対に楽しめるフェスティバル。いろんなことがこの夏また体験できると思うので、今年もぜひ参加してもらいたいです。また新しい発見を持ち帰って音楽人生を続けてもらいたいなというところで、フェスは重要な要素を持ってると思うので。ずっとフェスを好きでいてもらいたいし、今年も〈SUMMER SONIC〉に参加していただきたいです」
〈SUMMER SONIC 2014〉
http://www.summersonic.com/2014/
【東京公演】
日時/会場:8月16日(土)、17日(日) 千葉・QVCマリンフィールド & 幕張メッセ
開場/開演:9:00/11:00
出演:
【8月16日】
〈MARINE STAGE〉
ARCTIC MONKEYS / ROBERT PLANT AND THE SENSATIONAL SPACE SHIFTERS / Superfly / THE 1975 / KREWELLA / VINTAGE TROUBLE / REIGNWOLF
〈MOUNTAIN STAGE〉
AVENGED SEVENFOLD / MEGADETH / GHOST / SUICIDAL TENDENCIES / BABYMETAL / Fear,and Loathing in Las Vegas / coldrain / THE BOTS / FOLKS(オープニング・アクト)
〈SONIC STAGE〉
PHOENIX / CIBO MATTO / TWENTY ONE PILOTS / JAMAICA / WHITE LIES / SKY FERREIRA / TELEGRAM / CHILDHOOD / HAPPY(オープニング・アクト)
〈RAINBOW STAGE〉
FTISLAND / CNBLUE / 浜田麻里 / Chthonic / Crossfaith / MAGIC POWER / MY FIRST STORY / TOKIO / WHITE ASH / Kidori Kidori(オープニング・アクト)
〈BEACH STAGE〉
DE LA SOUL(BILLBOARD JAPAN PARTY) / PETE ROCK & CL SMOOTH(BILLBOARD JAPAN PARTY) / THE PHARCYDE with LIVE BAND(BILLBOARD JAPAN PARTY) / スキマスイッチ / ZAK WATERS / cinema staff
〈GARDEN STAGE〉
矢野顕子 / LITTLE DRAGON / 山崎まさよし / 勝手にしやがれ / 華原朋美 / ペトロールズ / 前野健太とソープランダーズ
〈ISLAND STAGE〉
Liangbo(from China)/ Xiang(from China)/ The Diders(from China)/ Banana Monkey(from China)/ One Back Shot(from Malaysia)/ The Yers(from Thailand)/ P.O.P(from Thailand)/ GETUNOVA(from Thailand)
【MIDNIGHT SONIC(東京公演のみ)】
〈SONIC STAGE(ALL NIGHT)〉
ANTEMASQUE / MOGWAI / LITTLE DRAGON
〈RAINBOW STAGE(ALL NIGHT)〉
HEARTSREVOLUTION / DESTRUCTO / MIKE RELM from THE PHARCYDE / Seiho
【8月17日】
〈MARINE STAGE〉
QUEEN + ADAM LAMBERT / AVRIL LAVIGNE / RICHIE SAMBORA / DREAMS COME TRUE / 木村カエラ / LITTLE MIX / A GREAT BIG WORLD / TIMEFLIES
〈MOUNTAIN STAGE〉
KRAFTWERK / SEKAI NO OWARI / ELLIE GOULDING / BANKS / ROBERT GLASPER EXPERIMENT / AZEALIA BANKS / Mayday / THE BAWDIES / パスピエ(オープニング・アクト)
〈SONIC STAGE〉
PIXIES / THE HORRORS / BEN WATT with BERNARD BUTLER / METRONOMY / きゃりーぱみゅぱみゅ / CHARLI XCX / CIRCA WAVES / THE ORWELLS
〈RAINBOW STAGE〉
the HIATUS / BOOM BOOM SATELLITES / KANA-BOON / 森高千里 with tofubeats / miwa / BLUE ENCOUNT / Dinosaur Pile Up / The Flickers / GROWN KIDS / Asriel(オープニング・アクト)
〈BEACH STAGE〉
グッドモーニングアメリカ / FACT / TOTALFAT / KIDS IN GLASS HOUSES / KEYTALK / The BONEZ / FUZZY CONTROL
〈GARDEN STAGE〉
PENTATONIX / EGO-WRAPPIN’ / Caravan / SOIL&“PIMP”SESSIONS / SPECIAL OTHERS ACOUSTIC / 小島麻由美 / LIFE IS GROOVE
〈ISLAND STAGE〉
THE SOLUTIONS(from Korea)/ Sultan of The Disco(from Korea)/ >Hologram Film(from Korea)/ Gate Flowers(from Korea)/ Cosmos People(from Taiwan)/ APHASIA(from Taiwan)/ N.Flying(from Korea:オープニング・アクト)
チケット代:
・前売1日券 15,500円(税込/ブロック指定)
・前売2日券 28,500円(税込/ブロック指定)
・枚数限定プラチナチケット 30,000円(サマソニ1日券+プラチナ特典)
〈SONICMANIA 2014〉
http://www.creativeman.co.jp/sonicmania/2014/
日時/会場:8月15日(金) 千葉・幕張メッセ
開場/開演:20:00/22:00
出演:
KASABIAN / KRAFTWERK / サカナクション / ZEDD / MOGWAI / KREWELLA / NERVO / the telephones / 中田ヤスタカ(CAPSULE)
〈HARD STAGE〉2MANYDJs(DJ SET) / DJ SNAKE / DESTRUCTO / CONGOROCK / YAMATO ほか
チケット代:
・前売 10,500円(税込/ドリンク代別)
・プラチナ・チケット 20,000円(ソニックマニア入場券+プラチナ特典)