すでにヴェテラン歌手として名を馳せていた淡谷のり子の歩みを歌とナレーションで綴ったドキュメンタリー仕立ての73年作がリイシュー。杉村春子のナレーションが誕生から歌との出会い、デビューまでをドラマティックに演出し、その間に新旧の音源が披露されるという作りで、岩谷時子 × いずみたく作の“ブルースを歌う女”や“ひとすじの道”、服部良一による“鏡の中の私”など、本作用に書き下ろされた新曲群もキャリアへの敬意を感じさせる。さらに今回のリイシューに際してのボーナストラックには、名曲“別れのブルース”が1937年/60年/67年/69年の4ヴァージョンで収録されていて興味深い。