ジャケを見てサーシャ・フィアース?なんて思ってしまうかどうかはさておき、レーベルやマネージメントの変更などもあって、実に6年ぶりとなったサード・アルバムには確かな変化がある。先行シングル“Silly Me”を手掛けたP2Jとはもう1曲“Enough”でも絡み、マレイ作の重厚な“Say No”やエミール・ヘイニー&ダヒーラによる週末/終末的な“Lying”のようにゆったり薄暗いモードが今回は支配的だが、芯のある歌声でもって雰囲気に逃げないのがこの人の良さ。サブ・フォーカスとの禁欲的なドラムンベースやクローム・スパークス&スチュワート・プライスとのハウスなど多彩な曲調も楽しめる。