海外の公演予定を眺めるとエリム・チャンの名前が頻繁に目に入る。今年はニューヨーク・フィルやシカゴ交響楽団を指揮している。その彼女の実質的なデビュー盤は今シーズンまで首席指揮者を務めるデンマークのオーケストラとの録音となった。これが素晴らしい。うるさくならず、繊細かつしなやか、色彩鮮やかなプロコフィエフ。トラック⑤“ロメオとジュリエット”や⑦“別れの前のロメオとジュリエット”の叙情的な場面が特に聴きどころ。ラヴェルは光彩陸離の“夜明け”にはじまり、リズム感の良さが冴え渡る“全員の踊り”まで耳をとらえて離さない。良い指揮者です。是非一度お聴きください!