崇高な金太郎飴。16歳からの路上演奏やホームレス生活の中で、〈Seasick〉(船酔い)の通称を得て活動している最狂ブルーズマン:シーシック・スティーヴの2024年作。還暦過ぎて人生初の大ブレイクを経験し(世界的)メジャー・デビューをした異色のブルーズマンであり、ローリング・ストーンズからホワイト・ストライプスまで脈々と続くブルーズ/カントリーを根幹にロックンロールする系譜に存在するロッカー。ジョン・リー・フッカーを継承し、トム・ウェイツの粘りも併持する彼の音楽は、古今だけでは分類できない孤高のブギー・ブルーズ。緻密や洗練とは遠い、最も近い本能に触れる。ええやんええやん。
シーシック・スティーヴ(Seasick Steve)『A Trip A Stumble A Fall Down On Your Knees』最も近い本能に触れる孤高のブギーブルーズ
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