ジャックと○の木……縁で繋がるピープル・トゥリー
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ガレージからカントリーまで跨ぐ豪放な歩幅も、多岐に渡るバンド展開という意味でも偉大な先達の新作。ジャックはウイリー・ネルソンのカヴァーなど2曲に歌や演奏で参加している。先行アナログ盤は当然サード・マン発!
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大作映画のサントラ参加が多いのもジャックの特徴。ゴージャスな顔ぶれで話題を呼んだこの「華麗なるギャツビー」ではU2“Love Is Blindness”のカヴァーをソロで披露。ラナ・デル・レイやフローレンスとの並びも馴染む。
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ギターを抱えたオーストラリアのブルージー娘はジャック制作の7インチ“Ain't Hungry”で一躍その名を世に広めた。シングルと並行して出ていたこの処女アルバムも実にジャック好み(?)のするスウィンギンな快作だった。
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それ以前から歌や曲作りにも才を見せていたスーパーモデル。ジャックとの結婚から5年を経て届いた本作は、彼やジャック・ローレンスら周辺の仲間が門出をサポートした気合い十分な一枚に。ただ、翌年に離婚しようとは……。
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ダン・オーバックとパトリック・カーニーはそれぞれ外部でのプロデュース活動も積極的に行い、その守備範囲が重なるジャックとは比較される機会も多い。ホワイト・ストライプス編成ながら現在もコンビ活動は無事に継続中。
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友人のジャックとは違う角度から、現代的なブルースを追求してもきたベック先生。本作では“Go It Alone”をジャックと共作し、一昨年にはサード・マンに7インチ“I Just Started Hating Some People Today”を残すなど交流は長い。
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このとき73歳! “Fujiyama Mama”で知られるロカビリーの女王をジャックがラカンターズやカレンと共にフル援護したジャキジャキな名盤だ。オールディーズと並べてエイミー・ワインハウスを歌うセンスもいい。
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カントリーの巨人が書き遺していたアイデアや歌詞の断片を、ボブ・ディランやノラ・ジョーンズらが楽曲としてフィニッシュさせるという野心的な米国ルーツ探訪企画。ジャックは“You Know That I Know”に参加している。
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英国からUS黒人音楽を志して登場した天才少女(当時)ヴォーカリスト。往年のソウル名曲があれこれ並ぶカヴァー盤だが、そこにホワイト・ストライプス“Fell In Love With A Girl”が飛び出してくるとビックリ。濃厚な解釈。
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リリース時点で御年72歳のブルース・ロッカー。ジャックは“The Way I Do”でギター・ソロを閃かせて先達の栄光に輝きを付与している。なお、US盤のLPは当然のように(?)サード・マンからのリリースだった。
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“Big River”の7インチをサード・マンから発表しているアラバマの姉妹ハーモニー・デュオ。T・ボーン・バーネットの手掛けた本作にジャックの関与はないが、フォークとカントリーを美しい歌唱で響かせる清らかなストイックさにブレはない。
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フランスのソウルマン。これまたヴィンテージ・ソウル文脈での再解釈として、ホワイト・ストライプス“Seven Nation Army”をカヴァー。同じ要領でマーカス・コリンズが取り上げたヴァージョンは全英ヒットを記録している。
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ジャックにとってはルーツのひとつでもあり、ブルースに関しては同好の士とも言える御大ストーンズ。スコセッシ監督作のサントラとなる本ライヴ盤には、〈A Bigger Bang Tour〉における“Loving Cup”での出番が収録された。
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モリコーネのスタジオで録られた、架空のマカロニ・ウェスタン映画サントラ。ノラ・ジョーンズと共に〈主役〉に起用されたジャックは、“The World”などで配役に応じた歌を演じてみせる。例によってシングルはサード・マン発!