anoのシングル『許婚っきゅん』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン「TOWER PLUS+ ano 特別号」を発行! ここでは中面に掲載されたインタビューとともに『許婚っきゅん』のレビューを掲載いたします。「TOWER PLUS+」はタワーレコード全店にて配布中です!※ *TOWER PLUS+編集部
2024年10月9日にanoがTVアニメ「らんま1/2」のオープニングテーマとなるシングル『許婚っきゅん』(読み:いいなずっきゅん)をリリースした。大きなブレイクポイントを迎えた楽曲“ちゅ、多様性。”と同じ制作陣で制作された今作。anoへのインタビューでの発言とともに『許婚っきゅん』の魅力を解剖する。
〈生き急ぎすぎ〉な進化がもたらす創作やライブパフォーマンスの変化
TVアニメ「チェンソーマン」第7話のエンディングテーマとなる“ちゅ、多様性。”が大ヒット、「第74回NHK紅白歌合戦」に出演するなど一気にブレイクを果たしたano。12月にアルバム『猫猫吐吐』を発表し、アーティストとしての個性的なクリエイティブ(=独創的ポップネス)をダイレクトに提示してみせた。
「アルバム『猫猫吐吐』は今表現しているダークでポップな部分やインディーズ時代の〈ポップ要素0〉の閉鎖的な音楽も全て詰め込んだ、おもちゃ箱みたいなアルバムになりました」
2024年に入ってからも、彼女のリアルな思いを吐露した“YOU&愛Heaven”、映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章の主題歌“絶絶絶絶対聖域 feat. 幾田りら”、尾崎世界観(クリープハイプ)が作曲を手がけた“愛してる、なんてね。”と次々にドロップ。ano自身もさらなる進化を感じているようだ。
「短いスパンでリリースして生き急ぎすぎている感じもしますが、映画『デデデデ~』の声優に初挑戦・初主演、さらに主題歌も作らせていただき、“絶絶絶絶対聖域 feat. 幾田りら”を出すまでの流れ全てひっくるめて、今までで最も技量や才能を試されている感覚にもなりました。初めてづくしだったけど、声優も大きなターニングポイントになったし、楽曲自体ももともと自分の表現したいことに近かったので嬉しかったです。この1曲は今後のanoの音楽にもとても刺激を与えていくと思います」
さらにこの夏、〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024〉〈SUMMER SONIC 2024〉(OSAKA)などの大型フェスに出演。ライブに対する意識にも変化が訪れているようだ。
「自己満足や自分のファンだけを楽しませるのではなく、やはり僕を知らないお客さんも巻き込んで魅せつけるというところはかなり意識するようになりました。そのおかげもあってフェスで初めて見た多くの人たちがファンになってくれて、印象も〈いい方に変わった〉って声がとても多かったので嬉しかったです。すべてSNSでなんでもできちゃう世の中で、こうして人間同士が同じ場所に足を運び、ぶつかり合うことで見える、そこにある事実がかけがえないです」