OPUS OF THE YEAR 2024
[特集]bounceが選ぶ2024年の100枚+

ゆく年くる年。ゆく音くる音……いろいろなことが起こりすぎて、何とも言えない気持ちになることの多かった2024年。さっさと忘れてしまいたい気持ちもありつつ、それでも、そんな日々を彩った音がこんなアルバムたちと共に素敵な記憶として残っていきますように。まずはこの100枚から!!

 この一年はどんな年でしたか? 正確に振り返ることができなさそうでも、これらの作品のいくつかはきっと2024年という年のさまざまな空気感を思い出させてくれるはず。ここに並ぶ作品は誰かにとってのそういうアルバムであり、恐らくいくつかはこの先も聴き続けるであろうアルバムです。そして、もしまだ聴いていなかったとしても、いつでも聴きはじめることのできるアルバムです。そんなわけで2024年も本当にお疲れ様でした!


 

100MOIDE IN MY HEAD 2024
bounceが選ぶ2024年の100枚

ano 『猫猫吐吐』 トイズファクトリー(2023)

前年末の〈紅白〉出演を皮切りに、相変わらず日本のポップは彼女が中心でした! このファースト・アルバム以降も、幾田りらと組んだ〈デデデデ〉、“許婚っきゅん”とヒットを連発。I’sの年内解散というトピックも。 *田中

 

CHAPPELL ROAN 『The Rise And Fall Of A Midwest Princess』 Island(2023)

ダン・ニグロの隠し球としてオリヴィア・ロドリゴのサポートなどをしていた〈中西部のプリンセス〉。この初作で表舞台に出るや世界的にブレイクし、堂々の新人賞最有力候補に浮上! *出嶌

 

Chilli Beans. 『Welcome to My Castle』 A.S.A.B(2023)

2024年は武道館公演やホール・ツアーも成功させた3人組の2作目。エレクトロニクスを効果的に使ったプロダクション重視のサウンドは、実に現代的でスマート。いまの空気を掴む身振りがカッコよかった! *田中

 

NAS 『Magic 3』 Mass Appeal(2023)

金字塔『Illmatic』の30周年という節目に来日も果たしたレジェンド。こちらは前年発表のヒット・ボーイと組んだ6連作の最終章で、過去の栄光より前線で舞台に立ち続ける姿にこそマジックが宿るのは言わずもがな。 *出嶌

 

PINKPANTHERESS 『Heaven knows』 Warner(2023)

お菓子みたいな楽曲でヒットを飛ばし、TikTok時代のポップ・ミューズとなった彼女でしたが、このファースト・アルバムではオーセンティシティーを獲得。よそ行きに袖を通し、ベッドルームから抜け出しました。 *田中

 

GREEN DAY 『Saviors』 Reprise/ワーナー(2024)

過去の名盤たちが30周年20周年を迎えた年は、大統領選挙の年でもあり、それ以上にロブ・カヴァロと再会したこちらの力作でエネルギーを炸裂させた年となった。シンプルな表現は円熟しつつも衰え知らず! *出嶌

 

KALI UCHIS 『Orquídeas』 Interscope(2024)

言語によるサウンドの縛りを気にせずR&Bとラテンとアフロなどが融和する新常識を投影し、大傑作となった2枚目のスペイン語作。近年のキーマンたるP2Jらが援護したほか、カロルGやペソ・プルマとのコラボも話題に。 *出嶌

 

THE SMILE 『Wall Of Eyes』 XL/BEAT(2024)

本作に続けてもう1枚アルバム『Cutouts』を発表し、やる気と状態の良さが伝わってきた2024年のザ・スマイル。サントラも発表したトム・ヨークの日本ツアーが話題でしたが、こちらのバンドでも初来日をそろそろよろしく。 *田中

 

yama 『awake&build』 ソニー(2024)

神秘性を薄めることなく着実に射程範囲を広げてきたネット発シンガーの3作目。多彩なビートを乗りこなしつつ、楽曲の重力を増減させるような歌唱に耳を奪われっぱなしでした。BINの『Melt』も傑作! *田中

 

ZAZEN BOYS 『らんど』 MATSURI STUDIO(2024)

NUMBER GIRLの再結成と再解散を経て、圧巻のファンクネスを鳴らした12年ぶりの通算6作目。20年の歴史を凝縮して秋に開催された武道館ライヴは、新年3月に映像作品としてソフト化もされます。 *田中