石原夏織が新アルバムで描く、安らぎに満ちたシーン

石原夏織 『Calm Scene』 ポニーキャニオン(2024)

 声優ユニットのStylipSや、小倉唯とのデュオ、ゆいかおりでの活動を経て、2018年からソロ・アーティストとして活動するシンガーから3作目となるアルバムが到着! ホーン炸裂の冒頭曲“プルケリマを朝に”、渡辺翔の手になるアップリフティングなロックソング“Paraglider”、ヒゲドライバー作のカラフルな電波系エレクトロ“キラリアット”などで持ち前の陽性かつ躍動的なポップ・センスを発揮しつつ、作品全体としてはタイトルの通りに〈穏やかな風景〉を描いており、彼女の新たな表情が見える意欲的な作品に仕上がっています。eill作詞作曲、☆Taku Takahashi編曲の“recipe”では、1ループのギター・フレーズを配したドラムン・ビートを艶やかに乗りこなし、柿沼雅美 × YHELのチキチキ系R&B“ILLUSION”や、春野ならではのチルなグルーヴが心地良い“Sugar Planets”でのクールな歌いっぷりも素敵。渡辺拓也が手掛けたドラマティックなディスコ・ポップ“恋の匂い”も素晴らしい! *田中亮太

左から、石原夏織の2020年作『Water Drop』(ポニーキャニオン)、渡辺翔がメンバーだったsajou no hanaの2023年のシングル“ニューサンス”(KADOKAWA)、eillの2022年作『PALETTE』(ポニーキャニオン)、春野の2023年作『The Lover』(Suppage/Colourful)