〈R&Bのキング〉を自称して現代のアトランタ・エリアを代表するシンガーとなったジャクイース。2年ぶりのオリジナル新作は表題が示す通り子作りをテーマにしたスロウ・ジャム集で、盟友ナッシュBを含む制作陣によるメロウなトラップ・ソウルを歌いながら、父親になった彼が愛を育むことの尊さを説く。オートチューンで丸みが強調された声は不変ながら、直截的な性愛ソング“Touchdown”をはじめ、全編を通してインティメイトな雰囲気で迫るその姿は一時期のトレイ・ソングスにも通じている。ジャネット・ジャクソン“Any Time, Any Place”を想起させる“Middle Of The Night”を白眉としたい。