〈俺がR&Bのキングだ!〉発言もネタにする愛らしさでシーンの王道を歩むシンガーが3年ぶりに放つ新作。ナッシュ・Bらがプロデュースにあたり、トラップ系のスロウ・ジャムなどをオートチューンがかった人懐っこい声で歌うスタイルは過去作と大きく変わらず。今回は地元の兄貴分であるフューチャーに総指揮を任せ、引き続きアトランタ勢と共演して結束をアピールしつつ、丁寧な歌い口で表題通りファンへの感謝を表明。サマー・ウォーカー&ブラック(6lack)、21サヴェージらと共有する地元のユルい空気感、ドリージーが美声を交えるメロウ・チューン“Ya Body”における90sマナーはDVSNの近作にも通じている。ジョンP・キーの声を入れた曲で折り目正しく締め括るラストまで、誠実さに満ちたアルバムだ。