南アフリカのダラー・ブランド、アメリカのドン・チェリー、パナマのカルロス・ワード、ジャズを体とし異なる血を持つ3者。異能の3者がそれぞれの感性で対話し、融合し描き出す第三世界の情景あるいは反逆のジャズ。既存のジャズの枠を越えて自身の音楽性を追求してきた彼らだから、音楽史に大きな足跡を残してきた彼らにしか、辿り着けない極地が本作。ジャズ史及び自身と母国の歴史と共に歩み刻む本セッションは、時にシリアスで物悲しく、時に牧歌的で優しい。ジャズとはかく語りきと呼ぶに相応しい第三世界の情景が眼前に迫る歴史的作品。ええやんええやん。