Who Do You Believe In?
暗闇の奥底からギラギラしたあいつらがまたしても帰ってきた! 宇宙最高にグラマラスでハードなブリティッシュ・ロックを備え、懐かしさ以上の新鮮このうえないエナジーに溢れた『Dreams On Toast』が迫るなか、もはやダークネスを止める術はない!
アミューズメントパークのような楽しさ
全英1位に送り込んだファースト・アルバム『Permission To Land』(2003年)から、すでに20年以上のキャリアを誇るヴェテランが8枚目のアルバム『Dreams On Toast』を完成。オープニング曲“Rock And Roll Party Cowboy”の曲名にも表れている通り、パーティーしようぜ!と訴えるダンサブルなノリの良さに加え、アコギを取り入れたカントリー調の牧歌的なメロディーが随所に顔を出し、聴くだけで身体の芯が熱くなって、笑顔が自然と溢れるポジティヴな楽曲が揃った。しかもこれまで培ったアレンジ力を活かした遊び心も効いており、作品通してアミューズメントパーク的な楽しさに溢れていて、そこが何よりも素晴らしい。
母国の英雄クイーンらしい色合いを引き継いだバラード風の“Don’t Need Sunshine”もいいし、“The Longest Kiss”ではブライアン・メイを彷彿させるギター・ソロにも心が躍る。また、AC/DC風のシンプルなリフで攻めた“Mortal Dead”は後半のハンドクラップや鍵盤のアレンジが極上の至福感をもたらすナンバー。さらに、ヴァイオリンを導入した“Cold Hearted Woman”は眼前に大草原が広がるような穏やかなメロディーに感情移入せずにはいられない。そして、ラスト曲“Weekend In Rome”はある意味本作のハイライトだろう。ディズニー映画に迷い込んだような壮大な仕上がりで、美しいオーケストラが鳴り響くなか、ジャスティン・ホーキンス(ヴォーカル)の麗しき歌声に魂を根こそぎ奪われる。 *荒金良介
もはやクラシックの域
昨年の全米オープン男子テニス決勝を観戦していたテイラー・スウィフトが会場で流れる“I Believe In A Thing Called Love”に合わせてマイムを見せる動画がバズって……てな感じで音楽の機能が少しばかり変わろうとも、それそのものの魅力はたぶん変わることはない。ダークネスが2003年に発表した同曲は、2020年に英Classic Rock誌の読者投票で〈21世紀のベスト・ソング〉に選ばれるなど、現代の目線から見ればこのバンドはロック黄金時代のジャイアンツと比肩するクラシックの域に足を踏み入れていると言っていいのかもしれない。
この3月にはウェンブリー・アリーナでのファイナルへ向かうUKツアーも開催しているところで、そんななかでこのたび登場したのが、バンドにとって通算8作目となるニュー・アルバム『Dreams On Toast』だ。2021年の前作『Motorheart』もそうだったが、彼らの特徴であるブリティッシュ・ハードのグラマラスな華やかさは今回も揺るぎのない安定感で迫ってくる。というか、本人たちは変わらなくても、トレンドの追求そのものが目的になったような周囲の状況も相まって、相対的に彼らの迷いのなさが際立って響いてくるようなタイミングなのだろう。ノスタルジックでありながら新鮮、恐ろしく重厚にして途轍もなく軽薄、大真面目でありつつ笑えるほどユーモラスな彼らの魅力は、幕開けの“Rock And Roll Party Cowboy”(なんというタイトル!)から最高に甘美な魅惑の時間を約束してくれる。爆発的なアンセムで満たされた好盤だ。 *狛犬
