©Simon Emmett

Who Do You Believe In?
暗闇の奥底からギラギラしたあいつらがまたしても帰ってきた! 宇宙最高にグラマラスでハードなブリティッシュ・ロックを備え、懐かしさ以上の新鮮このうえないエナジーに溢れた『Dreams On Toast』が迫るなか、もはやダークネスを止める術はない!

THE DARKNESS 『Dreams On Toast』 Cooking Vinyl/BIG NOTHING(2025)

 

アミューズメントパークのような楽しさ

 全英1位に送り込んだファースト・アルバム『Permission To Land』(2003年)から、すでに20年以上のキャリアを誇るヴェテランが8枚目のアルバム『Dreams On Toast』を完成。オープニング曲“Rock And Roll Party Cowboy”の曲名にも表れている通り、パーティーしようぜ!と訴えるダンサブルなノリの良さに加え、アコギを取り入れたカントリー調の牧歌的なメロディーが随所に顔を出し、聴くだけで身体の芯が熱くなって、笑顔が自然と溢れるポジティヴな楽曲が揃った。しかもこれまで培ったアレンジ力を活かした遊び心も効いており、作品通してアミューズメントパーク的な楽しさに溢れていて、そこが何よりも素晴らしい。 

 母国の英雄クイーンらしい色合いを引き継いだバラード風の“Don’t Need Sunshine”もいいし、“The Longest Kiss”ではブライアン・メイを彷彿させるギター・ソロにも心が躍る。また、AC/DC風のシンプルなリフで攻めた“Mortal Dead”は後半のハンドクラップや鍵盤のアレンジが極上の至福感をもたらすナンバー。さらに、ヴァイオリンを導入した“Cold Hearted Woman”は眼前に大草原が広がるような穏やかなメロディーに感情移入せずにはいられない。そして、ラスト曲“Weekend In Rome”はある意味本作のハイライトだろう。ディズニー映画に迷い込んだような壮大な仕上がりで、美しいオーケストラが鳴り響くなか、ジャスティン・ホーキンス(ヴォーカル)の麗しき歌声に魂を根こそぎ奪われる。 *荒金良介