ロジャー・テイラー(クイーン)の息子であるルーファス(ドラムス)の加入後では2枚目となる通算6作目は、初めてコンセプトを掲げた意欲の漲る一枚だ。ジャスティン・ホーキンス(ヴォーカル)が〈聖書のようなレコードだ。ロックンロールこそが神の声である〉と語っている通り、今作には〈邪悪な世の中に対して、音楽こそが救済の道標になるんだ〉という強い信念が渦巻いているかのよう。天空まで突き抜けるファルセット・ヴォイス、クイーンばりの重厚なコーラス・ワーク、大仰かつ緻密なアレンジも冴え渡り、明暗と静動のドラマを刻み付けた曲調は聴き応え十分。バラード調の“In Another Life”も良いけれど、ラストを盛大に締め括る“We Are The Guitar Men”は何とも感動的だ。日本盤ボートラ5曲収録。