来日ツアーも決定!
現代最高峰のジャズ・ギタリストが更なるネクストステージへ!
ロメイン・ピロンのギターは華麗なテクニックを繰り出していても心地よい響きがあり、ハイトーンを奏でていても繊細でソフトに語りかけてくれます。彼が追求し発するサウンドには、常にジャズの魔法が宿ります。
フランス・グルノーブル出身、渡米しバークリー音楽院で学びを受け、ずば抜けた演奏力で現代ジャズ・ギターの注目株へと駆け上がったというピロン。同じバークリーにいたチーフ・アジュア(クリスチャン・スコット)のデビュー作に参加していたりもします。ウォルター・スミス3世(こちらも同輩)が参加した2013年の2ndアルバムあたりで日本のジャズ・ファンにもその名が知られるようになり、ここ数年はベーシストのジェフ・デンソンによるトリオ作への参加やスタンダード曲を取り上げた前作『Falling Grace』のリリースでさらに注目度を高めています。
コロナ禍以前から積極的にリモートでのレッスンや動画配信を行っていて、自身の演奏とジャズ・ギターの魅力を確実に世界へ浸透させています。彼がリリースしているレーベル〈jazz&people〉もクラウドファンディング等を実施しながらトップ・アーティストの作品をフランスから世界へ届けていて、どちらもしっかり地に足をつけながら新たな時代へと進んでいる印象を受けます。
そんなピロンの待望の新作となるこの『Open Road』、彼が更新し続けてきた音楽が結晶しています。音の相性もバッチリなベルギーの名手ジャン・ポール・エスティヴェナールのトランペットとフランスの注目株アレクシス・ヴァレによるヴィブラフォンを配したアンサンブルは美しく優雅で、かつ現代的なカッコ良さが備わっており衝撃的ですらあります。ブライアン・ブレイド、ジェフ・バラードという現代最高のドラマーたちとの共演が続いていた彼がここで起用したのは、名ギタリストを父に持つマーク・ホイットフィールドJr.……いまシーンを席巻しつつある若き怪物。今作はクインテットとトリオが4曲ずつなのですが、どちらの編成でもスゴいです。ドラムの音数を叩き込むセンスや間のコントロールが抜群に作用していて、なぜこの演奏がここまで音楽的に聴こえるのか……と不思議に感じてしまうこともしばしば。

ベーシストはイギリス人のオーランド・ル・フレミング、数々の大物たちを支えてきた現代ジャズ界屈指の名手。最新リーダー・アルバムではコールドプレイのクリス・マーティンが参加していて音楽ファンを驚かせました。今作でも堅実な演奏で支えるとともに低音のサウンドが際立つ場面も多く、この辺りもかなり重要な聴きどころとなっています。
文句無しの技術を持ち、ピロンの音楽を彼の想像以上にまで高めるメンバーが結集して生み出された現代ジャズの新たな逸品。なんといってもピロンのギターは他メンバーの後方での職人ワザからさすがのソロ・パートでのプレイまで魅力全開、そして全てのオリジナル曲が秀逸……彼の世界はすでにネクスト・ステージへ到達していました。クインテットによる前半の楽曲にはブライアン・ブレイドのバンドにカート・ローゼンウィンケルがいた頃のサウンドと通じるものを感じたりもしたので、ブレイドとの共演を重ねていることはソングライティングにも影響を与えているのかもしれません。4ビートのいわゆるジャズらしいジャズのナンバーやバラードも絶品で、とりわけギターに関してはここまでやってくれるのかというプレイのオンパレード。彼のリーダー・アルバムなので当然ではあるのですが、とことん魅せます。そしてもちろん、どこまでも優しく繊細でスマートなのです。ラストも素晴らしいトリオ演奏で締めくくられます。聴き終わったあとピロン最高、ジャズ・ギター最高! そんな気分にさせてくれる一枚。じっくりお楽しみください!
ロメイン・ピロン(Romain Pilon)
ジャズ・ギタリスト/作曲家。10歳でギターを始め、ボストンのバークリー⾳楽⼤学に奨学⾦を得て⼊学。卒業時には、1,000名を超える⽣徒が在籍するギター科の代表⽣徒として、パット・メセニーのコンサートのオープニング・アクトを務めた。その後1年間はニューヨークに滞在し、数多くのジャム・セッションに参加。毎晩ジャズ・クラブで獅⼦奮迅の活躍をした。2004年からは拠点をパリに移す。2018年、ジェフ・デンソンの声掛けにより、伝説的なドラマー、ブライアン・ブレイドをゲストに招いてトリオを結成、共同リーダーとなる。彼らの2枚のアルバム『Between Two Worlds』『Finding Light』がきっかけとなり、アメリカの50を超える都市でライブを⾏う。
LIVE INFORMATION
2025年5月31日(土)千葉・松戸 スタジオTOKI
開演:13:30
2025年5月31日(土)神奈川・横浜 Jazz Spot Dolphy
開演:19:30
2025年6月1日(日)東京・表参道 Live Space Zimagine
開演:16:00
2025年6月2日(月)東京・町田 Into the Blue
開演:19:30
2025年6月3日(火)愛知・名古屋 Mr. Kenny’s
開演:19:30
2025年6月4日(水)岡山・Livehouse Bird
開演:20:00
2025年6月5日(木)広島・Jazz Club Bird
開演:19:30
2025年6月6日(金)兵庫・神戸 元町 Always
開演:19:30
2025年6月7日(土)東京・赤坂 Jazz Dining B-flat
開演:12:30
■出演
ロメイン・ピロン(ギター)/ジェフ・デンソン(ベース)/木村紘(ドラムス)
2025年5月30日(金)にはタワーレコード渋谷店にてミニライブの開催を予定