小学3年生のとき、音楽室で聴いた“軽騎兵”序曲に感動してクラシック音楽が好きになった筆者にとって興味津々の内容。戦後の音楽教育は、戦前の唱歌の歌詞による徳目主義への反省から、文部省が諸井三郎を招き〈音楽教育即情操教育〉と主従が逆転。歌唱に加え、器楽、鑑賞、創作が活発となったが、知育偏重の弊害も生まれ、〈情操〉とのバランスは度々見直された。筆者が注目したのは教師集会の講師を長年務めた林光の〈音楽そのものに触れることが大事で、知識や技術はその結果として後からついてくる〉という考え方。筆者が音楽に夢中になったのは、こうした考えに賛同した先生のおかげだった!
山本耕平「音楽で「良い子」は育てられるのか」林光の考え方、〈情操〉のバランスなど日本の音楽教育史を辿りながら未来を考える
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