スウェーデン南部の小さな町の古楽アンサンブル、ホール・バロックによるヴィヴァルディ・アルバムは、リコーダー、撥弦楽器、ヴァイオリンが活躍する協奏曲やシンフォニアを独自の視点で選曲した構成。有名なマンドリン協奏曲、“調和の霊感”の1曲から、現存楽譜が北欧でしか発見されていないヴァイオリン協奏曲まで彩りある選曲だが、特に、21世紀になって発見されたフルート協奏曲“ムガール大帝”をリコーダーで演奏しているのが面白い。透明感あふれる演奏とプロプリウスの自然でリアルな録音が〈北国〉感を醸し出す一風変わったヴィヴァルディ・アルバムに仕上がっている。