日常生活に基づくコンシャスなR&Bを歌うシンガーが地元ブルックリンの新進レーベルに移籍して1年ぶりに発表した新作。客演もしているブッチャー・ブラウンやナイジェル・ホール、エグザクトリー、カリーム・リギンズらとの共同作業は前作の流れを汲み、ジャズやソウルの成分を含むメロウな曲を飾らず穏やかに歌っていく。バッドバッドノットグッド制作の“blicky”や80年代風シンセ・ブギー“dream girl”といったフューチャー・ノスタルジアな曲があれば、アフロ・ディアスポラへの意識からファーザー・フィリスを迎えたソカも登場。癒しや解放を求めつつ、多彩な音楽要素を破綻なくまとめた快作だ。