唯一無二の存在になりたい
インストの“B.K.GARAGE”を序曲に始まるアルバムは、福岡ソフトバンクホークス2025公式中継テーマソングとなる“ダイヤモンドクロニクルズ”を筆頭に、全16曲のヴォリュームでGBBのカラーをより鮮明に伝えるもの。1年を経て制作陣が各人の個性を把握して作ったのも大きいだろうし、6曲で歌詞を採用されたまりかをはじめ、メンバーの作詞が大半を占めるのもそのイメージを印象づける。
まりか「私が作詞した“不完全燃焼ダンダンダンダダン”は、ちょうど作詞する数日前に出たフェスで、あやかが曲中に歌いながら焼き鳥を買いに行って、ステージに戻って焼き鳥を食べてる動画がSNSでちょい炎上してしまったんですよ。初めて炎上を経験して、表面的なところだけを観ただけで感情をグサグサ刺してくるような心ない言葉が届いたので、そんな世界に宛てた内容を、ちょっと煽るように書いてみました。可愛いイントロで始まるから、そのギャップもあって刺さる感じで書こうと思って」
蝶は強烈なファスト・チューンの“NAS -No Answer Syndrome”とドラマティックな“孤独はなぜ襲いかかってくるのか”の2曲を作詞。失恋を歌った後者には彼女のキャラクターも滲んでいる。
蝶「“NAS -No Answer Syndrome-”は仮タイトルが〈NASが繋がらないよ〉だったので、NASについて調べたら何かの記憶装置みたいなやつで、よくわかんなかったから深く考えずにリズム重視で好きな漢字や四字熟語を繋げて書きました。実際にレコーディングでマイクの前に立ったら、松隈さんから〈横にあるのがNASだよ〉って言われて。いまも繋がってないらしいです(笑)。“孤独はなぜ襲いかかってくるのか”はアルバムで唯一しんみりするシリアスな曲で、これは最初から私が作詞することが決まっていて、大切な人が離れていった心情を書きました。〈NAS〉は30分ぐらいで連想ゲームみたいに出来たんですけど、こっちは作詞にめちゃくちゃ時間がかかりました。サビの〈私の全部欲しがって手に入れてよ〉っていう歌詞が特に好きなんですけど、失恋したらどうなるんだろうって妄想で書いた曲です(笑)」
りんか「私は“ボンジュール君はどこ?”を作詞しました。仮歌そのままのタイトルからヨーロッパのイメージが湧いて出たから、おとぎ話やファンタジックな絵本の世界をイメージして。GBBにはこういう可愛い恋の曲みたいなのがないので、可愛さ全振りにして、でもサビはカッコイイ歌詞で、まっすぐな心を表現しました」
あやか「私は“ウミカジサンセット”が好きで、自分が作詞したのも思い入れがある理由ではあるんですけど、初めて聴いた時からとにかくメロディーが凄く好きで。歌詞には、部活でバンドをしてる時とGBBで活動している時の両方の葛藤を描いたり、そのなかでも音楽が好きだなっていう思いを込めています。あと、私の歌うサビは我ながらカッコイイのでぜひ聴いてほしいです(笑)」。
紙幅の都合で全曲に触れるのは難しいが、とりわけ穏やかな情感を備えたのは、まりかが亡くなった家族への想いを「会いたいけど、会えない距離感の人」に綴ったメロディアスな“羽根”。他にも、白馬の王子様を待つあやかをモチーフにしたという前向きなナンバーで、「めちゃくちゃ青春を感じる」(あやか)という“今日も僕らは”、「いま流行ってる曲にはない感じの平成の夏っぽいユルい感じの曲」(りんか)という“カリメンドライブ”、クラファンでの作詞を含む軽快なサマーソングの“スッカスカSKA”などなど多彩な曲が並ぶ。そんな16曲のラストをエモーショナルに飾るのは“悔やんでゆくその日まで”だ。
りんか「イントロを聴くだけで感動するし、ホントに言葉で表せないけど、私たちの代表曲になるぐらい凄い曲になるんじゃないかって思ってて。サビの〈あの日探し回ってた〉って歌詞とかも、何となく私たちと重なるなって。作詞は蝶ちゃんとまりかと松隈さんで、書いた意図は違うかもしれないけど、グループとしての意思も乗せやすいし、悔しいことや負けたくないことを全部乗せて歌えます」
そんな充実の一作を仕上げた4人は2年目のGBBについての展望をこう語る。
まりか「ここから勝負の年だと思うので、初めてCDを出したり、年末のワンマンもキャパをちょっと大きくしたり、新たな挑戦もありつつ、自分たちらしさを確立していきたいなって思ってます」
蝶「この4人と、松隈さんや周りのスタッフさんがいてくれれば何でもできる気がするので、ダンスが苦手とか短所に見られる部分も長所に変えて、周りとは違う唯一無二の存在になりたいです」
あやか「これから初めて私たちのことを知ってくれる人が多いと思うので、どうしたらライヴで観たいって思ってもらえるのかいろんな方向から考えたいです。ライヴに来させたらこっちのものなので(笑)」
りんか「この先の1年が本当に大事で、いまのままじゃ年末のワンマンもたぶん埋められないから、ここからどうやったら広まるかを考えたいです。曲はめっちゃ良いから刺さると思うので、そこからライヴに来てもらえるように、ひとつひとつの機会を大切にしていきたいです」