和楽器界の新鋭、オリジナルの世界観をさらに追求、新たな出会いも!

 ボーダーレスに活躍する箏奏者LEOの約2年ぶりとなる新作アルバムは、気鋭のアーティストたちとのコラボ集。制作のきっかけは車のなかでたまたま耳にしたLAUSBUBの音楽だったという。

 「前作『GRID//OFF』で今の自分にできることをやりきってしまった感じがあって、ここからどう広げていこうかと考えていたときに、LAUSBUBの音楽に出会いました。“絶対コラボしたい!”と思ってお声がけしたところ、ご快諾いただけて。とはいえLAUSBUBはテクノのユニットですから、クラシックやジャズとは音楽の言語もまったく違うので、網守将平さんに共同プロデュースで入っていただきました」

LEO (今野玲央) 『microcosm』 コロムビア(2025)

 さまざまな音楽言語の人たちと話すうちに、多方面から音楽を見つめることができるようになったというLEOは、DAW(コンピュータ上で音楽制作を行なうためのソフトウェア)を学び、コラボを重ねながら新たな領域へと踏み出していく。

 「これまでの僕の音楽は、いつも“箏”が主体だったんですよね。けれど今回は自分が箏奏者であることをいったん忘れて、すべてを白紙に戻した状態で音楽と向き合ってみました。たまたま目の前に弦の張ってある箱があって、コラボの相手がいる。さあどうする?みたいな。そういう意味では、はじめて〈自分〉主体の音楽になったのかもしれません。技術的にも経験的にも、2~3年前には絶対できなかったことができるようになって、今、やりたいことが爆発しています」

 クリエイティブなピアニストの梅井美咲や林正樹、これまでもLEOと共作してきた作曲家の網守将平や坂東祐大、トップアーティストたちから引く手あまたのドラマー大井一彌、LEOにとって憧れの音楽家であるフランチェスコ・トリスターノなど、各方面で注目を集める才能たちが、ジャンルを超越したセッションを繰り広げている。

 「曲によって制作のプロセスは違いますが、網守さんに書いていただいた“Vanishing Metro”以外は、大体が曲の骨組みだけ考えた状態でスタジオに入って、即興でセッションしながら作っていきました。自分のソロ曲も含め、楽譜に書いた音符をそのまま弾くということは、ほとんどしなかったですね。スタジオで録った素材を持ち帰って、DAW上で音を重ねたり、並べ替えたり、コラージュしながらフレーズを作っていくような手法で作曲したものもあります」

 ライヴではどのようなプレゼンテーションになるのかも楽しみだ。

 


LIVE INFORMATION
LEO -microcosm-

2025年11月5日(水)新宿FACE
開場/開演:18:30/19:00

■出演
LEO(箏)/網守将平(シンセサイザー)/大井一彌(ドラムス)/町田匡(ヴァイオリン)/中川裕貴(チェロ)

公演詳細:https://www.columbiaclassics.jp/20251105