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明徳

あくまで20年は通過点

――そうした発見を繰り返しながら自分たちならではの基盤を築いていったわけですね。ところで最初のリテイク・アルバムでの“GOD ONLY KNOWS”に続いて今作には“BRINGER”という新曲が1曲収められています。歌詞の内容から察するに、これは今回の20周年の流れを締め括るための楽曲といえそうですね。

葉月「まさにそうです。いかにもlynch.らしいというか〈どこからどう見てもlynch.だよね〉という曲を作ろうと考えたんです。そこでバンド内で〈自分たちらしい曲というのはたくさんあるけど、どうしようか?〉という話をして、ツアー中に作った曲です。“GOD ONLY KNOWS”については結構前から原案があったんですけど、こっちは完全なる書き下ろしの新曲。歌詞にはツアー・ファイナルのタイトルでもある〈ALL THIS WE’LL GIVE YOU〉という言葉も入ってます」

――そのツアー・ファイナル、lynch.にとって初となる東京ガーデンシアター公演も楽しみなところです。

明徳「ふたつのリテイク・アルバムを通じて、僕としてはやっとlynch.のこれまでの歴史をコンプリートできた(=加入以前の曲もすべてレコーディングした)というのもあるし、バンドとして完全体になれたところでガーデンシアターに向かえるというのが楽しみです」

悠介「ガーデンシアターはとても綺麗な会場だし、あそこでシガー・ロスを観たときもすごく良かったんですけど、あの場所をいかに自分たちのものにしていくか、ということをいまはすごく考えてます。年末公演までまだ少しだけ時間があるので、それまでにlynch.に興味を持ってもらえる人の数をさらに増やしたうえで、その人たちを引き連れながらガーデンシアターに行きたいなと思ってます」

晁直

玲央「12月28日の〈FINAL ACT〉というのは20年の大きな区切りになりますけど、区切りとピリオドは違うわけで、次に繋げていくためのものだと思うんです。だから、ガーデンシアターに観に来てくださるみなさんに〈またlynch.を観たい、これからもlynch.を応援したい〉と思っていただけるライヴをやることがまず重要です。そして、次のアルバムを含めた新しい展開へと進んでいきたい。目の前のことひとつひとつに丁寧に取り組みながら、ワンステップずつ着実に進んでいくだけです。そこで一段抜かししようとしても、転んでしまうだけだから」

晁直(ドラムス)「言ってしまえば今年は20周年にあやかって祭りを盛り上げているような感じでもあるわけですけど、これはあくまで通過点に過ぎないものだと思ってるんです。ただ、年間を通じてこんなにもいろいろなことをやらせてもらえていることについては、すごく感謝してます。これは自分たちだけの力ではできないことだと思っているので」

葉月「今年はリテイクとはいえ約60曲もレコーディングしてきたわけですけど、おそらく再録はこれで最後だと思ってます。というのも、これ以降の音源って、自分でもカッコいいと思えているし、納得できる音で作っているからリテイクする必然を感じないんです。だからこの先は、次の作品にまっすぐ向き合い、悠々自適に曲を作っていける幸せな制作サイクルを作っていきたいですね(笑)」

lynchの20周年記念アルバム第1弾『GREEDY DEAD SOULS / UNDERNEATH THE SKIN』(キング)