生物学専攻だったことにちなんで〈マライアは科学者〉と名乗るアトランタ出身のシンガー/ソングライターによる4作目。キャリア最大のヒットとなった先行曲“Burning Blue”は、世間から非難を浴びながら収監中の恋人ヤング・サグに寄り添った彼女自身を連想させ、溜め込んだ感情をクールに解き放つ歌も含めてシアラが歌ったプリンス風の官能的なスロウを思わせる。今回はナインティーン85(dvsn)がメインで制作し、“Sacrifice”などで80s R&B的なシンセの音色も用いつつ、カリ・ウチスとディープに絡む“Is It A Crime”のような濃密なスロウを提供。歌も音も成熟を感じさせる一枚だ。