INTERVIEW

寿君 『オレノキュウキョク』 Part.1

めでたい名前は伊達じゃない! ひたむきな思いを乗せた歌声で老若男女を惹き付ける関西レゲエ・シーン期待のシングジェイが、キュウキョクの打線を揃えて第2章に突入!

寿君 『オレノキュウキョク』 Part.1

俺のサムライ・ロード第2章

 「RED SPIDERJUNIOR君と〈名前変えようや〉ってなって本名(の一字)から〈寿〉を取ったんですけど、『なんで〈君〉いるんですか?』ってJUNIOR君に訊いたら、『お前ローソンに〈からあげ〉って言って置いとったら買わへんやろ? あれ〈クン〉って付いてるから買うねん。ガリガリ君もそうや』って。あ、ホンマや思って」。 

 改名の顛末を気さくにそう話して笑わせ、親しみやすい人柄を覗かせた寿君。「歌い方やリリックの構成の仕方からライヴの見せ方まで教わった」というBESとの活動をルーツに、MOUNTAIN KINGから名を改め、大阪のサウンドであるBASS MASTERと歩みを始めて4年半余り。耳馴染みの良いメロディーセンスと真っ直ぐなリリックを併せ持つ彼のスタイルは、現場のダンスはもちろん、2枚のアルバムを含む数々の音源を通じて、関西のレゲエ・シーンから各地へと伝わった。このほど新たな環境のもと制作したミニ・アルバム『オレノキュウキョク』は、そんな彼がみずから第2章と位置付ける作品だ。昨年末、RED SPIDERプロデュースのコンピ 『Generation Shock』で念願のBESとの共演が初めて音源化されたことが、ひとつの節目になったと彼は言う。

寿君 オレノキュウキョク ROCKERS ISLAND/Village Again(2014)

 「ずっと尊敬してたBES君との曲がRED SPIDERプロデュースでリリースできたんで、俺のサムライ・ロードの第1章が完結して、第2章へ走り出そうって思ってた自分がおったし、前作(『出会いの...~「KOTOBUKI KUN」Deh yah you know!?~』)は粗い部分もあったんで、成長ぶりを見せたかった」。

 本作のリリースに動いたROCKERS ISLANDでトラックメイカーとしても活動する教授、ファースト・アルバムからの付き合いとなるエンジニアの上山満弘らをブレーンとした合宿的なレコーディングで、寿君が向かった先は沖縄。共に語り合い、いわく「制作チームの脳ミソとチューニング」しながらの曲作りは、全9曲に彼の〈究極〉を詰め込むべく進んだ。

 「前作は俺が好きやから入れたいってぐらいの曲も入れたけど、今回は初めて全体の構成まで考えて作った一枚。マジメなことも言いたかったし、共感もさしたかったし、バーンと登場したぞ!みたいな曲も欲しかったし、笑かしたかったし、泣かせたかったしみたいな」。

 なかでも、「思考は現実化する、(夢が)叶ってるなう、みたいなニュアンス」の曲だという冒頭の“THINK & GROWING”は、自己紹介的なEDMチューンだ。しっとりとしたバックに持ち前の歌心を思う存分溶かし、ポップセンスを見せつける“SUMMER LOVE”とはまた違った意味で、この曲は彼の挑戦のひとつ。新たな気持ちで臨んだ本作のド派手な幕開けを飾っている。

 「“THINK & GROWING”は、一歩先というか新しい感じ。思いっきり刻んだフロウでDJを乗せてて、言ってることとかグルーヴはすごいレゲエなんですけど、レゲエじゃないよとか言われるかもしれない。そう言われたら俺はニカーッて笑ってる感じっすね。“SUMMER LOVE”も普段やってないような曲で、レゲエにこだわらず違う自分を見せた冒険のつもり」。

 

小学生からおばあちゃんまで

 さらに、〈はじまりの一歩を君も歩み出せ!〉という歌詞がある“オレガヤレバ”は、寿君自身、もっとも手応えを感じた曲だとか。前作に収録の“オレトオレバ”に続いて教授もペンを取ったこの曲では、響き渡る寿君のメロディーがとりわけ力強い。

 「“オレトオレバ”の〈俺のそばにおってくれ〉みたいなサビは、わかりやすすぎて書けなかったんですよ。やけど、第三者の目線で俺はこう見えてんねんなってわかって、逆にこれをめっちゃカッコ良くしたい!みたいな。それを経て、今回“オレガヤレバ”が生まれて、これは来たなっていうのがあったから、4番(4曲目)に持ってきた。いまこの時代を生きてるっていうのも大事にせなあかんって意味で、ターゲットを絞る言葉も使ってます」。

 2曲目の“BUSS A BLANK”をみずからのスタジオ/レーベルであるSTREET HEROの集大成とし、「4番のビッグ・チューンの後を盛り上げるいい役目の5番バッター」というBIG BEARとの“トロピカル☆サマー”や、HISATOMIとのコミカルなやり取りがおもしろい“カナリタマッテル”、ブログ的にいまの気持ちを綴ったという“Believe in myself”などへと広がる『オレノキュウキョク』。「俺が聴いてきたレゲエも好きになってもらえる窓口になりたい」とみずから役割を心得るからこそ、レゲエの背景を必要としない言葉で音楽を届けることに何より彼は自覚的だ。

 「小学生からおばあちゃんまで響いてほしいって思ってるし、人間にあたりまえに備わってるものを広く拾って、みんなが共感しやすいもののほうがいい」。

 そしてその世界は、ライヴでより身近なものとなる。

 「9曲の中に好きな曲があって、それでパワーもらってますって言うんやったら、俺の生きてる意味があると思えて超嬉しいし、そういう人に俺もパワーをもらえる。ライヴではわかってくれ、こういう気持ちやねんみたいな周波数もすごい出すから、何回も観てもらえたら俺の心の中ももっとよくわかるんちゃうかな」。

 

▼寿君の作品

左から、2012年作『コトブキイズム~Dr.BEATZ コレクション~』、2013年作『出会いの...~「KOTOBUKI KUN」Deh yah you know!?~』(共にSTREET HERO)

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▼寿君が参加した作品を一部紹介

カジノ891の2014年作『ギッザギザ-GI THE GIZA-』(徳間ジャパン)、AWAKE MONSTARの2014年作『AWAKE』(SOUTH YAAD MUZIK)、BASS MASTERの2014年のミックスCD『-NEXT REBEL- BASS MASTER ALL JAPANESE DUB MIX』(BASS MASTER)、2013年のコンピ『SOUTH YAAD MUZIK COMPILATION VOL.7』(SOUTH YAAD MUZIK)

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