インタビュー

HISATOMI、寿君やCHEHONら盟友参加&ビーフも追い風にフレンドリーさとストリート・スタイルを融合した新作を語る

HISATOMI 『MADE IN ISLAND』 Pt.1

HISATOMI、寿君やCHEHONら盟友参加&ビーフも追い風にフレンドリーさとストリート・スタイルを融合した新作を語る

その胸に抱き続けたMy Dreamが現実のものになろうとしている。降って沸いたビーフも追い風に変え、いまスポットライトを一身に浴びて……

 2003年に大阪でキャリアをスタートし、2009年の改名後はコンピ・シリーズ〈RIDDIM ISLAND〉などで名を売って、満を持して2013年に『ヒのサのトのミ』でアルバム・デビュー。昨年の2作目『NO PROBLEM MAN』発表を受け、今年早々には寿君と全国6か所のツーマン・ライヴを敢行するなど、レゲエ・シーンに着々とその足場を固めるHISATOMI。彼のサード・アルバム『MADE IN ISLAND』は、スタイルの幅を広げたと自負する前作のさらに上を行くものとなった。伸びのある歌声と、裏のないリリックに明るいキャラクターが覗く従来のDJスタイルは健在ながら、ここではアグレッシヴな姿勢をより前面に打ち出している。

HISATOMI MADE IN ISLAND ROCKERS ISLAND/Village Again(2015)

 「今回やりたかったことは、予備知識なしでも楽しめるような親しみやすいスタイルと、ストリートで培った反逆的だったりコアなスタイルの融合。〈こんな曲をやりたい!〉ってアイデアがいくつか頭にあったので、ひとつひとつ形にしていく感じで始まりました」。

 そのHISATOMIが沖縄でのレコーディングを前にみずから必要としたのは、本場ジャマイカのフィーリング。彼の地でのトラック制作を通じて、それは『MADE IN ISLAND』というタイトルの一端を担うものとなった。

 「ジャマイカで得たモノを日本に持ち帰って、レゲエにばっちりヴァイブスのハマる沖縄で録音した。そんなふたつの島=ISLANDが今回のアルバムのコンセプトであり、キーですね。さらに自分が所属しているレーベルもROCKERS ISLANDなので、タイトルは『MADE IN ISLAND』と付けました」。

 かぶせなしのヴォーカルや、粗いテイクもあえて活かした作りは、先の寿君とのツアーを経て実感したという自信の表れ。ツアー後にKYO虎との間で持ち上がったビーフも、「結果的にスタイルの幅も広がったし、いまでは感謝しています」とコメントしていて、その言葉通り“Destination”などの気迫が漲る曲や、自分自身と向き合った“スポットライト”でポジティヴに昇華したと言えよう。さらに、ベース・ミュージックに寄せた転調が華々しいSONPUB製の“Welcome To Dancehall”や、過去最高に繊細で哀愁味のあるオケに乗った“i wish”をはじめとする新境地を開拓したナンバー、そして寿君やRAYCHEHONといった気の置けない仲間とのコラボ・チューンが、アルバムに色を加える。

 「寿君とはツアーだけじゃなく、ジャマイカにも沖縄にも2人で行ったので、一緒に飯を食うぐらいの感覚で曲を作ってます。自分は結構冷静にいろいろ考えるほうなんで、寿君の野生的な感覚に助けられる時が多々ありますね。RAYとはトラック制作から2人でアイデアを出し合いました。シンガーなのにDJ顔負けの早口をやったり、ライヴで急にハーモニカを吹き出したり器用なヤツです。“ハングオーバー”は、宴会部長的な歌い手とのコンビでお酒の曲をやりたいな~と思っていて、大阪一愛されている酔っ払いのCHEHONにお願いしたんです。知り合ってからかなり長いですが、ようやく一緒に曲ができました」。

【参考動画】HISATOMIが寿君をフィーチャーした2014年の楽曲“CARNIVAL MONSTER”

 ビーフという思わぬかたちで直面した雑音に、タフさを交えながら応えてみせた一面も持つ『MADE IN ISLAND』は、HISATOMIが歩みを止めぬ証し。それはまた当然、彼自身のレゲエを深めるものともなるのだ。

 「これはハイブリッドなスタイルに少し辿り着けたアルバム。そんなスタイルを追求するなかで改めてレゲエっておもしろい音楽やなって思いましたし、聴く人の生活を彩る作品になれば最高ですね」。

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