有害な男性性を刺す歌詞も支持を集めたパースのシンガー・ソングライターは、この3作目で新たな扉を開けた。前作のツアー以降、音楽を続けるべきかを悩んでいたそうで、そうした内観の時期を映しているのか、アルバム全体に思慮深いメロウネスが漂う。シンセや鍵盤が中心の穏やかな楽曲たちの先に、仄かなポジティヴィティーを醸す“Laying Low”を置く構成も良い。