OPUS OF THE YEAR 2022
[ 特集 ] bounceが選ぶ2022年の100枚+

そもそも私たちは何と戦っているのか……と立ち止まらなくもない。それでも、そんな日々を彩った音が、こんなアルバムたちと共にいい記憶として残っていきますように!

 


100MOIDE IN MY HEAD 2022
bounceが選ぶ2022年の100枚

Dios 『CASTLE』 Dawn Dawn Dawn(2022)

前年に始動した、たなか、ササノマリイ、Ichika Nitoによる新バンドの初アルバム。Ichikaの超絶ギターとササノのトラックを得た歌世界が独自のスリリングな物語を織り成していく。年の暮れにはめでたい報告もありました! *出嶌

 

HARRY STYLES 『Harry’s House』 Erskine/Columbia/ソニー(2022)

Take On Me”を換骨奪胎した先行シングル“As It Was”の大ヒットを経てリリースされたサード・アルバム。影響源として公言されているほど〈シティ・ポップ〉味はないが、ポップソング集としての強度は極めて高い。 *田中

 

KENDRICK LAMAR 『Mr. Morale & The Big Steppers』 Top Dawg/Aftermath/Interscope(2022)

コンセプチュアルな内容に伴った巧妙なストーリーテリングで引き続きトップの地位を堅守した、2022年きっての話題作のひとつ。TDEでの最後のアルバムとなるそうで、この後のステップも注視しておきたいところ。 *出嶌

 

MUNA 『MUNA』 Saddest Factory/BIG NOTHING(2022)

フィービー・ブリジャーズが主宰するサッデスト・ファクトリー移籍作は、そのフィービーを迎えてクィアな愛を歌った“Silk Chiffon”などより率直でポップな内容に。同レーベルからはチャーリー・ヒッキーらの好盤も続いた。 *出嶌

 

山下達郎 『SOFTLY』 ワーナー(2022)

問答無用のアルチザンによる11年ぶりのオリジナル・アルバム。音楽そのもの以外の話題で賑々しく盛り上がっていたせいで何かを書くのが億劫になってしまうような、そんな大作。まさに、待ったかいがあった!! *出嶌

 

吉田拓郎 『ah-面白かった』 avex trax(2022)

〈若者のカリスマ〉としてフォーク~ニューミュージック時代を牽引してきた大御所が、52年のアーティスト活動に終止符を打った最後のアルバム。気負いのない普段着の感覚を貫いて普通に締め括る感じもまた凄い。 *出嶌

 

BLACK MIDI 『Hellfire』 Rough Trade/BEAT(2022)

現行UKインディーのポスト・パンクなトレンドから逸脱していく3作目。急激なリズム・チェンジ、怒涛の勢いで様相を変えていく曲展開はプログレというかミュージカル音楽に近い。身体ではなく頭脳に快楽的な音楽。 *田中

 

DOMi & JD BECK 『NOT TiGHT』 Apeshit/Blue Note/ユニバーサル(2022)

世代云々よりも単に演奏が最高すぎる大型新人ジャズ・ユニットの初作。アンダーソン・パークの後ろ盾も功を奏して、サンダーキャットやハービー・ハンコックらを交えた録音作品としての出来映えも気持ち良かったです。 *出嶌

 

HUDSON MOHAWKE 『Cry Sugar』 Warp/BEAT(2022)

トラップ~ベース界の風雲児として登場、2010年代のポップに大きな影響を与えたトラックメイカー。7年ぶりのソロ作はガバやシュランツに騒がしく接近。ゴスペルを早回しした“Behold”は2022年のバンガーだ。 *田中

 

SUPERORGANISM 『World Wide Pop』 Domino/BEAT(2022)

ロンドン発のポップ集団が、星野源やCHAIをはじめ多国籍のゲストを招いた2作目。スチュアート・プライスによるエレクトロ・ビートが基調のため、サウンド面でのワールド・ワイド感は薄いものの、とにかく踊れます。 *田中