世界を変えようという意思を感じさせるメッセージと共に台頭してきた新しい女性シンガー・ソングライターのムーヴメントの一翼を担ったブレイクから3年半。オーストラリア出身のステラ・ドネリーが、このセカンド・アルバムでめざしたのは、みずからの音楽の深化だ。ネオアコとホーンの導入を基本のアイデアとして、いかに楽曲に振り幅をつけるか。そんなテーマの成果と言えるのが、ボサノヴァとオールディーズなポップ感覚が見事に溶け合う“Medals”と、ジャジーなムードがメランコリーの中にアダルトな魅力を醸し出した“Oh My My My”。オープニングとエンディングを飾るダンサブルでキャッチーなポップ・ナンバーよりも、その2曲のふくよかな味わいこそが、このアルバムの聴きどころだ。