EP 4部作として発表した『R.O.S.E.』から8年ぶりとなるアルバム。破局、出産、病魔などさまざまな経験を経たアーティストが禊のようなアルバムを出す……よくあるパターンだが、良作に昇華できた例として加えたい一枚だ。大半をプロデュースしたジェシー・ボイキンス3世の仕事ぶりが素晴らしく、彼の持ち味である甘美なメロウ・ソウルが主役のエレガンスを引き出した佳曲が並ぶ。ディクソンも関わったオーガニックな“Believe In Magic”での柔和な歌い口に新たな魅力も感じつつ、後半に配したライアン・テダー製のポップな楽曲群での力強い振る舞いに完全復活の兆しも見て取れる、充実の復帰作。