インタビュー

倖田來未、これまで以上に攻めの姿勢でこの先の歩みを明確にした挑戦の新作『WALK OF MY LIFE』

【PEOPLE TREE】 倖田來未 Pt.5

倖田來未、これまで以上に攻めの姿勢でこの先の歩みを明確にした挑戦の新作『WALK OF MY LIFE』

これまでの足跡を語り、この先の歩みを予告する挑戦のニュー・アルバム!

 海外の作家陣による楽曲提供が当たり前になって久しいが、倖田來未のニュー・アルバム『WALK OF MY LIFE』にも多彩なクリエイターが多数参加している。ビヨンセマドンナを手掛けるLA在住のドイツ人プロデューサーであるトビー・ガッドジェシー・J、フランスのプロデューサーのウィル・シムなどは彼女の作品では常連組。さらに、本作では、USのR&B~ポップ系コンポーザーであるジャレッド・コッターも名を連ねており、当然ながら〈J-Pop〉的なサウンド・プロダクションは少ない。〈ラヴ・バラードを高々と歌い上げるJ-Popシンガー〉というイメージを持っている方には意外かもしれないが、近年の彼女は新しく刺激的な、より先鋭的なトラックを求める傾向にある。

倖田來未 WALK OF MY LIFE rhythm zone(2015)

 「ここ数年、TVに出ないぶん、プライヴェートを優先するのではなく、これまで以上に制作に集中し、ライヴをたくさんやることができたんですね。そういう意味でも、〈より音楽に特化した倖田來未〉でありたいっていう思いで、これまで吸収してきたもののなかで今のベストだと思うことをやろうと思って。だから、いわゆるJ-Popな曲はない、挑戦のアルバムになってて。パッと聴きでわかりやすい曲はないかもしれないけど、自信をもって攻めてるっていう姿勢が伝わるといいなと思いますね」。

 常にリスクを恐れずに攻め続けてきた彼女だが、より〈攻める〉という姿勢を明確にしたのは、昨年12月6日のデビュー15周年イヤー突入の記念日に開催されたスペシャル・ライヴの影響があったという。

 「あの日、全シングル曲をメドレーで歌ったライヴで、自分がどういう道を歩いてきたのかっていうことを思い出したんですよね。最初はただ歌が歌いたかっただけの人間が、数多くの人にレールを敷いてもらって、何とかスタートを切った。〈自分自身の音楽が間違っていないか〉とか〈倖田來未はどうあるべきなのか〉とか、迷ったり、悩んだり、不安になったり、焦った時期もあったけど、改めて、誰もやってないことに挑戦するのが倖田來未だと確信したし、攻め続けることを忘れてはいけないなって思ったんですよね。だから、新しいアルバムでは、丸くならずに攻めようっていう思いを新たにしたんです」。

 90年代風のブレイクビーツとサウス系ヒップホップが融合した“Lippy”、スウィンギンなソウル・ナンバー“Mercedes”、トライバルなビートにコーラスをレイヤーした最新のサウンド・プロダクションが新鮮なヒップホップ“Like It”、ファンキーなパーティー・ソング“House Party”と、アルバムの特に前半は、新しい刺激に満ちた洋楽的なアプローチの楽曲が続くが、その根底には、一貫したメッセージが流れている。

 「イントロダクションで、〈時間は誰のもとでも平等で決して戻ってこない。人生は一度きりで、努力することも、挫折も苦悩も、すべてが自分自身の糧になる。だから、私は私らしく、私の人生を歩いていく〉っていう、アルバム全体のテーマを英語の歌詞で提示してて。“Dance In The Rain”では、何かを信じてがんばらないとなかなか前に進めないと思うけど、信じるべきは自分自身しかない。どんなに雨に打たれても立ち上がって、自分のことをしっかりと信じて、明日に向かって飛び立ってほしいっていうメッセージを込めてるし、“Sometimes Dreams Come True”で〈自分を信じて動きだせば/怖いものは何もない〉と自分に言い聞かせ、“LIFE so GOOD!!”で〈私らしく生きるわ〉と宣言してるっていう感じですね」。

 そして、アルバムの最後には表題曲でもあるビッグ・バラードが収録されている。

 「いま思うのは、歌詞にもある〈人がどう思うかではなく、自分がどう生きたか〉っていうこと。人生は一度きりだし、時間は戻ってこないのだから、自分が納得いく生き方をしたい。倖田來未としては30代になり、家庭もできて、子供もできた。環境は変わっているけれども、倖田來未として、女性に憧れられる強い女性でいたいと思うし、音楽で勇気付けたいという気持ちがより強くなってる。“WALK OF MY LIFE”はファンのみんなに愛してもらった“walk”を引き継ぐ曲として、10年後15年後の倖田來未をイメージして書いた曲なんですね。〈walk〉という単語を含め、自分の歩いてきた軌跡を凝縮した曲になっているし、アルバム全体からも〈これからも自分を信じて、自分らしく攻め続ける〉という挑戦の気持ちが伝わるといいなと思いますね」。

 

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