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意外で唐突なプログレッシブロック的曲展開

――4曲目“Lemuria”はテクニカルなギターをフィーチャーしつつ、中盤にドリーム・シアター的なプログレパートを設け、後半はフロアを踊らせる要素も入ってます。とてもユニークな曲調ですね。

「その通りですね。僕はプログロックだと、もともとキング・クリムゾンやイエスから入っているんですよ。それをメタル化させると、ドリーム・シアターっぽくなるんですけど。あと、ルネッサンスとかも好きです」

――アニー・ハズラム率いるルネッサンスも聴いているんですね!

「60、70年代のプログレをディグっていた時期があり、それをようやく形にできました。アウトプットするまでに時間がかかりました。曲展開における意外性や唐突性はブログロックの文脈から来てるのかもしれない」

――“Shapeless Heart (feat. Vandans)”は今作の中でもポップな曲調です。メロディアスなハードロックが好きにも刺さりそうな曲だなと。

「歌詞の校正でア・セント・ライク・ウルヴスというバンドのボーカル(アル・ボルツ)に手伝ってもらったんですよ。彼が歌詞を添削するときに仮歌みたいなものを送ってくれて。原曲のメロディは僕が考えているけど、アメリカ人が解釈した歌のフィーリングも取り入れて、このメロディに着地しました。歌詞の内容は失恋ソング的なニュアンスも含んでいるので、そこでも一貫した矛盾性を維持してます」

――歌詞は失恋でも、サウンドはポップという矛盾性を孕んでいると。

「僕は必ずそれをやるようにしてます。明るい題材の時は暗い音を付けるみたいな」

 

ここは目標ではなくスタート

――そして、ラスト曲“Destination (feat. Michael Felker of Convictions)”は今作のエンディングに相応しい曲ですね。勇壮なコーラスを配し、ツインリードのギターも抜群に映えてます。

「原形は10年ぐらい前にあったけど、ようやくこのタイミングで収録できました。もともとなかったシンガロングパートを新たにアレンジで加えたんですよ。キラーチューンだなという自覚はありましたからね」

――この曲がアルバム名にもなっていて、直訳すれば〈行き先〉、〈目標〉という意味です。その言葉に込めた思いは?

「これも矛盾性の話に繋がるんですけど、歌詞は〈ここが目標ではなくてスタートですよ〉ということを言いたくて」

――今作で終わりではなく、ここから始まるんだと?

「そうですね。メンバーが揃って、ようやくやりたいことをやり切れた感じがあるから。それが本来のスタートの概念じゃないかと。まあ、そのわりに時間かかりすぎちゃったんですけどね(笑)」

――では、これから先のバンドの目標は?

「海外にもっと行きたいですね。先月11月に初めてフィリピンにツアーで行ったんですけど、そこでも手応えを感じたんですよ。ヨーロッパとフィリピンには行ったから、最終的にはアメリカやオーストラリアとか、いろんな国に進出したいですね」

――今作を聴くと、日本人らしい緻密なアレンジや、日本人の心を揺さぶり琴線に触れるセンチメンタルなメロディが散りばめられていて、そこが海外の大味なメタルコアとは一線を画す魅力だなと。

「ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです。でもまた違うことをやりたいから、次回作はありえないぐらい大味になってる可能性もあります(笑)。今作は、本来のメタルコアはこれじゃないの?という問いかけをやりたかったから。メタルコアシーン内だけではなく、メタルコアを知らない人が聴いて、なんじゃこりゃ!?と思わせる作品ができたんじゃないかと」

 


RELEASE INFORMATION

Sailing Before The Wind 『Destination』 Sailing Before The Wind(2025)

■CD
リリース日:2025年12月24日(水)
品番:SBTW0001
価格:3,300円(税込)
配信リンク:https://linkco.re/3QQc60Ma

TRACKLIST
1. Fire Rainbow (Album Version)
2. Requiem
3. Dreamchaser (feat. BVNE of NORMUNDY)
4. Lemuria
5. Shapeless Heart (feat. Vandans)
6. Alchemist
7. Breathtaking (feat. Don Tuer of Dead Days)
8. Curtain Call
9. Picture Perfect (Album Version)
10. Destination (feat. Michael Felker of Convictions)

Sailing Before The Wind:
Yuki - Vocals
Kosuke - Guitar
Liku - Guitar
Bitoku - Bass
Toshiya - Drums

All songs written & produced by Bitoku Sakamoto
All lyrics by Bitoku Sakamoto
Except “Alchemist” co-written with Yuki
Lyrical arrangement by Al Boltz (A Scent Like Wolves)
Additional vocals by Bitoku, Kosuke and Liku
Recorded by Sailing Before The Wind
Drums recorded by Katsuya (SLOTHREAT / Misanthropist)
Mixed & mastered by Myroslav Borys at Jigsaw Audio

Guest vocals on “Breathtaking”: Don Tuer (DEAD DAYS)
Guest vocals on “Shapeless Heart”: Vandans
Guest vocals on “Dreamchaser”: BVNE (NORMUNDY)
Guest vocals on “Destination”: Michael Felker (Convictions)
Additional vocals on “Dreamchaser”: Kodai (FALLING ASLEEP)

Artwork by kyogudrddd (kokuiten)
Logo by Interloper Designs

 


PROFILE: Sailing Before The Wind
Sailing Before The Windは2011年に結成された東京のメタルコアバンド。メタルコア特有の緻密なリフワークとブレイクダウンに加え、メロディアスハードロックやメロディックデスメタルから影響を受けた美しいメロディラインを融合させているのが特徴。2012年リリースのEP『Judgement』をきっかけに彗星のごとくその名を轟かせ、圧巻のステージングと圧倒的楽曲クオリティを武器に、これまでに〈SCREAM OUT FEST〉や〈TRUE NORTH FESTIVAL〉といった国内最大規模のメタルコアフェスに出演。2019年6月にはオーストラリアからアイソトープスをゲストに迎え、ヘッドライナーツアー〈Revised Standards Tour 2019〉を全国7都市で7公演を実施。2022年に東京・渋谷CYCLONEで初のワンマンライブを開催し、ソールドアウト。2024年に初の海外ツアー、全4ヶ国7公演にわたるヨーロッパツアーを完遂。同年10月に主催ツアー〈Revised Seasons Tour 2024〉を開催、オーストリアのレオンズ・マサカーをゲストに招き、東名阪ツアーを開催。さらに11月にブレイクダウン・オブ・サニティの来日ツアーの全公演へ出演。2024年11月に現体制の全員が正式にフルメンバーとなり、2025年10月に待望の1stフルアルバム『Destination』をリリース。それに伴い、オーストリアからヴァンダンズをゲストに迎えた東名阪リリースツアーを開催。続く11月に初のフィリピンツアーをヘッドライナーで完遂。InstagramやTikTokなどで100万回再生超えの投稿を連発するなど、ショート動画巧者としても知られている。

■Official Site
https://sailingbeforethewind.com/

■SNS
https://x.com/SBTW_official
https://www.instagram.com/sailingbeforethewind
https://www.facebook.com/sailingbeforethewind
https://www.youtube.com/@SailingBeforeTheWind
https://www.tiktok.com/@sailingbeforethewind

■ディスコグラフィー
1. フルアルバム
・Destination - 2025

2. EP
・Horizon - 2011
・A Ray of Light - 2012
・Judgement - 2012
・Sanctuary - 2016
・Revised Standards - 2019
・Revised Standards II - 2019
・Immemorial - 2021 (再録EP)
・One Step Over (Remixes) - 2023
・Breath of Air (Remix) - 2024
・Revised Elements - 2024
・Revised Seasons - 2024

3. シングル
・Iolite - 2015
・Resistance - 2019
・Intro - 2020
・Illuminator (feat. Clayton King) - 2022
・One Step Over (feat. Jonathan Thorpenberg) - 2022
・Neo Chronicle (feat. Jei Doublerice) - 2022
・Rain or Shine (feat. Milad Parsa) - 2022
・Vanishing Figure (feat. Sean Hester) - 2023
・Inferno (feat. CØRTES) - 2023
・Breath of Air (feat. Matt Sosa) - 2024
・Fire Rainbow - 2024
・Picture Perfect - 2025

4. ライブアルバム
・A Decade of Sailors - 2023
・A Dream of Sailing (Live at GARRET) - 2023