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探求に終わりがない楽器

――今後はオルガンでどのような活動を目指しますか?

「先日Mikikiにも記事が出ていたオルガニストのイヴ・レヒシュタイナーさんとはトゥールーズ留学時代にお会いしました。彼が現在ディレクターを務める〈Toulouse Les Orgues〉というオルガンフェスティバルがあるのですが、2016年にピエール・ド・マンシクール国際オルガンコンクールで優勝した翌年、フェスティバルに演奏者として呼んでくださったことがきっかけです。レヒシュタイナーさんは今年2月に来日しますが、3月の盛岡公演では、私はアシスタント、アテンドをやります。楽しみですし、彼のような世界の音楽家からいろいろ学びたいです。

また、最近はラヴェルやドビュッシーなどの曲をオルガン用に編曲されたものを演奏することが増え、オルガンの曲は幅広く多彩になっています。私も含めて特定のテーマに沿った曲を集めたコンサートなども多くなり、〈光〉をテーマにしたコンサートをやったこともあります。教会では荘厳な音楽を弾くことが多いですが、コンサートホールではキャッチーで聴きやすい曲を演奏することも大事だと思います」

――日本にもパイプオルガンが結構ありますが、宝の持ち腐れというか、十分にオルガンを生かし切れていない感じがします。

「日本ではパイプオルガンが全国各地のホールなどにも設置されています。ですので、オルガンを目にする機会は結構あると思いますが、実際に目の前で音を聴いたことがない人はまだかなりいると思いますね。そうしたオルガンを聴いたことがない人にもぜひオルガンの多彩な音色や響きを生でもCDでもいいので一人でも多くの方に聴いていただき、可能性の広がりがある楽器だということを知って欲しいです。

最近はホールでオルガンを弾く体験ができたり、見学できたりする機会も増えてきました。パイプオルガンは巨大なものから小さいものまでとてもたくさんの種類やサイズがあり、それぞれの個性は国や建物ごとに全く違いますね。例えば、サントリーホールやミューザ川崎シンフォニーホールのものは電気信号でリモート演奏できるものだったり、神奈川県民ホールのものはパイプが横についていたり。北ドイツに行くと奏者の背中にパイプがあるユニークな楽器もあり、見た目にも楽しめます。とても手間のかかる楽器ですが、自分で納得する音がつくれたときの面白さや気持ちよさは何物にも代えがたいです」

――オルガンを弾くとまたオルガンが弾きたくなる。終わりがありませんね。

「これからもなるべく多くのオルガンを弾き続け、探求し続けていきたいですし、フランスのカーンやリヨン、ドイツ、さらにイタリア、スイスなど世界でまだ弾いたことがないオルガンも、一生に一度はぜひ弾きに行きたいです。持ち運びができないような大きなオルガンはその場所に行かないと弾けない楽器ですし、そうしたオルガンを弾くとまたオルガンへの興味が増し、どんどん弾きたくなります。探求に終わりがない楽器ですね」

 


RELEASE INFORMATION

清水奏花 『フルール・ドルグ』 スチュディオ・エクレール(2026)

リリース日:2026年1月20日(水)
品番:ECL105
価格:3,300円(税込)

TRACKLIST
1. ブルーンス:前奏曲 ト長調
2. J.S.バッハ:最愛のイエスよ、われらここに集まりて BWV731
3. J.S.バッハ:幻想曲 ト長調 BWV572
4. ヴィエルヌ:《24の自由な形式の作品》作品31 第1巻 第5曲 前奏曲
5. ベーム:天にましますわれらの父よ
6-8. メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ第6番 作品65
9-27. メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 作品54(シュメーディング編曲)
28. J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ BWV147(デュリュフレ編曲)

 


PROFILE: 清水奏花
東京藝術大学、同大学院修士課程を修了。修了時に大学院アカンサス音楽賞を受賞。フランスのトゥールーズ地方音楽院に留学し、Perfectionnement課程を修了。その後、ドイツのリューベック音楽大学にて修士課程ならびに国家演奏家資格課程を最高点にて修了。オルガンを河野和雄、廣江理枝、ミシェル・ブヴァール、ヤン・ヴィレム・ヤンセン、アルフィート・ガストの各氏に師事。トゥールーズ国際オルガンフェスティバルやオルレアンのサント・クロワ大聖堂、ナウムブルクの聖ヴェンツェル教会などフランス、スペイン、ドイツでも演奏活動を行う。2016年、第6回ピエール・ド・マンシクール国際オルガンコンクールにて優勝ならびに聴衆賞受賞。2021年、第8回デュドランジュ国際オルガンコンクールにてファイナリストに入賞。青山学院大学オルガニスト。日本基督教団下谷教会オルガニスト。
オフィシャルサイト:https://kanakashimizu.com/