絢香のデビューと音楽塾ヴォイスの功績
今年2月にデビュー20周年を迎えたばかりの絢香も、2000年代のJ-POPシーンを語る上で欠かせないアーティストだ。YUIと同じく音楽塾ヴォイス出身の彼女は、2006年に“I believe”でメジャーデビュー。ソウルやゴスペルの要素を含んだ太く力強い歌声で、不安や迷いを抱きながらも〈自分を信じること〉を肯定するこの曲は、今に続く彼女の音楽活動の原点と言えるナンバーだ。“I believe”はCDリリース前に着うたが先行配信され、のちに100万ダウンロードを突破している。
“I believe”と同様に絢香の代表曲の1つである“三日月”はLISMO!のCMソングに起用され、多くの人が彼女の歌声を認知するきっかけとなった。“I believe”と“三日月”、彼女が人生で初めて作った曲“message”などを収録したデビューアルバム『First Message』がミリオンセラーとなったことも、当時の彼女の人気を表していると言えるだろう。
YUIと絢香を輩出したことで一躍その名が全国に広まった音楽塾ヴォイスは、2010年代には家入レオやchay、2020年代にはVaundy(デビューは2019年)、Chilli Beans.、OddRe:など、その後も多くの逸材を世に送り出している。ヴォイスの主宰である音楽プロデューサーの西尾芳彦は残念ながら昨年5月に亡くなってしまったが、この先も彼が築いた学び屋からどんなアーティストたちが出てくるのか非常に楽しみだ。
そのほか、2000年代前半には大塚愛や、役者と並行して音楽活動もしていた安藤裕子らの躍進も見逃せない。2003年の2ndシングル“さくらんぼ”が着うたでもヒットした大塚は、“黒毛和牛上塩タン焼680円”“ネコに風船”など独自のワードセンスや世界観で脚光を浴びた。
一方の安藤は2005年に“のうぜんかつら (リプライズ)”が月桂冠のCMソングに起用されたことでブレイク。同曲を収録した2006年リリースの2ndアルバム『Merry Andrew』がオリコンチャートで10位を記録し、シンガーソングライターとしての活動にも一層力を入れていった。

